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オナラをするおばあさんの話⓵

オナラをするおばあさんの話⓵


おばあさんは旅に出ました。ふるさとへ帰る旅です。もうずう~っと帰っていないのでとても楽しみにしています。ふるさとの牧場に、牛やニワトリたちを置いてけぼりにしてきたことを後悔して、ずっと心配だったのです。

牛たちはちゃんと草を食べて夜は牛舎の中で寝ているだろうか?

ニワトリたちの産んだ卵がほったらかしで足の踏み場もないんじゃないだろうか?

それとももう卵からかえって、大人のニワトリどころか、ひょっとしたら飛べるようになっているかもしれない。ああ、でもキツネに食べられてなきゃいいが……。


そんなことを考えながらの旅の準備です。といっても日帰り旅行ですから、食べ物だけあれば十分。上着の右のポケットにゴボウを入れて、左のポッケにサツマイモ、そして内ポケットにニンジンを詰め込んだら準備OKです。どれもおばあさんが小さな家庭菜園で一生懸命に育ててきた野菜たちです。お腹が空いたら歩きながら食べようと思っています。


おばあさんは、あたたかい春の陽ざしを受けて気持ちよく歩き始めました。美味しそうな匂いにつられて、後ろを近所の子どもたちが尾いていきます。けれども、黒いアスファルトの道は固くて思った以上に疲れます。おばあさんはお腹が空いてしまったので、さっそく右のポッケからゴボウを取り出してひとかじりしました。

「シャキッ」とすこやかな音と一緒にゴボウの香りが口いっぱいに広がります。するとおばあさんのお尻から、ぷっぷっぷっと、まるで車の排気ガスのようにオナラが出ました。オナラの勢いでおばあさんは少しスピードアップしました。子どもたちは、オナラの臭いを気にしながら、置いていかれないように駆け出します。


すると、何ということでしょう‼


おばあさんの歩いたアスファルトの道が、茶色いほんわかした土に変わっていくではありませんか。子どもたちは大喜びです。おばあさんを追いかけるのをやめて、ほんわかした土の上を駆け回り、穴を掘ったり、這い出てくる虫や芽を出し始めた植物を観察したりして遊んでいます。


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