表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/165

2人と1人


「投石」


私は火球だった。


『普通に石を投げた方が早い気がしても、

使い続けたらドンドン石が大きくなっちゃって』

「ははぁ」


ナイフや弓に目移りせずにいれば、

魔法もやはり強くなっていくのか。


『今では通路で邪魔になる位大きくなっちゃって…

どうすればいいですか?』

「ナルホド」


桃子猫が割って入ってきた。


「ランさんならどう思ウ?」

「え?私なら…杖でそれくらい威力が高ければ、

素手も併用しますね」

『あ〜』


盲点だった、というような顔をする。

プティーは射線上に誰もいない虚空に向かって、

五指を広げる。


『投石』


手のひらに石が生成され、射出。


『ゴツ』


壁に拳大の石がぶつかった。


『す、すごい!本当にいい感じの石が出ました!』

「お力になれてよかったです」

『最初は砂くらい小さかったのに、

ちょっと感動しました!』


プティーは感受性豊かなようだ。


『他にも何かご存知のこととかありますか!?』


トカゲの目を輝かせ、舌が踊っている。


「そうですね…例えば」


プティーの手に自分のこぶしを入れる。


「この状態で唱えてみてください」

『いいんですか?』

「ええ」

『投石』


拳大の石が生成され、手にめり込む。


「こういうこともできたりします」

『おおー!』


羨望の眼差しを受けて、

わざとらしく振り回してみたりする。


「ハエー」


そういえば桃子猫にも初めて見せた。

…。

石が消えない。

壁にぶつかった石も消えていない。

火球は消えていたので、見くびっていた。


「…桃子猫さん」

「エイ!」

『バカッ』


鉤爪によって石が割れる。

中の手は無事。


「ほっ」

「モウ…」

「とまあこういう風に、

発動中の魔法にオブジェクトを干渉させると、

魔法を固定させることができます」

『ははぁ…』


若干引かれている。

目の前で失敗例を見せたのだしそうなるだろう。


『皆さん、休憩は済みましたか』


八八が立って言った。


「はい」

「ウン」

『私も』

『では、行きましょう』


全員立ち上がる。


「桃子猫さん、耳栓」

「ン」

『スポ』

「んフッ」


方陣を組み、桃子猫と数メートル離れる。

前衛組が石扉に手をかけ、押す。


『いよぉッ』

『ふんッ』

「んーッ」


少しずつだが、開き始める。

御開帳。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ