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懐かしい雰囲気


聞いたことのある声。

穴から梯子が降りる。


『先に行っていいかな!?』

『どうぞ』

『やったー!』


梯子も使わず、自由落下で下まで来た。


『…ん?』

「あ、どうも」


大きな巨躯の、リザードマンと目が合う。


『…あ!』


駆け寄ってくる。


『どうもお久しぶりですー!』


手を掴まれて上下に振られる。

ラッツだ。

最初に出会ったリザードマン。


『子猫ちゃんも久しぶりー!』

「ウエー」


持ち上げられている。


『まったく、そんな無鉄砲だから罠を踏むんですよ…あ』

「お久しぶりです」

『あなた方もこのダンジョンに』

「はい、来ていただいて助かりました」

『というと…なるほど』


一見で全てを察してくれた。


『ここには階段などは?』

「ありませんでした」

『では梯子で上へ』

「はい」


思わぬ助け舟。

ここからは全力を尽くそう。

せっかく助けられたのだから。

肉を取り出し、かじる。



梯子を登り終えれば、落ちる前の明るい階層。

松明の灯りがこれほど頼もしく見えるとは。

リザードマンの一党は五人。

ラッツと八八の他にも、プティーなど見た顔もいる。


『何があったんですか?』

「モンスターハウスがあったんです、

何とか凌げましたが、落とし穴にハマってしまい…」

『そうですか…我々も偶然とはいえ、

あなた方を見つけられてよかった』

「ありがとうございます」

『いーのいーの!持ちつ持たれつ』

「はい」


懐かしい雰囲気だ。


『行きましょう』

「ええ」


同じ方向に歩を進める。

ここで何かを言うのは、野暮というものだ。


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