罠踏んじゃった
もう足音がオカシイ
「え?」
『がこ』
階段で足を踏み違えたような、そんな浮遊感。
そして石が擦れる音。
『バカッ』
天井が割れる。
『ケタケタ』
『ケタケタケタ』
『ケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタ』
囲まれた。
この距離で火球矢は使えない。
『バチュ!』
桃子猫がパリィし、
一匹がよろけそれが連鎖し正面は少しはけた。
突破を狙えるか。
「火きゅ」
打。
左肩に鈍い痛み。
「う!」
嗚咽か根性で唱える。
炎の玉は射出され、
よろけたスケルトン達を吹っ飛ばす。
前が開いた。
「前へ!」
「ン!」
全速力で前進し、一定距離離れたところで振り向く。
囲まれた時点で察したが、
スケルトンの数は先程より多い。
立っているのは五匹。
火球が直撃し蠢いているやつを含めれば、先程の倍。
しかもその内三体は、骨の棍棒を所持している。
肩に食らったのはそれか。
階層を下るほど敵は強くなる?。
そんな考察は置いておいて、敵は通路の一直線。
火球矢の出番。
「痛ッ」
先程やられた左肩は、未だ鈍い痛みを纏っている。
弓がぶれて定まらない。
外して余計なことはできない。
右手だけの杖で対応しよう。
『バチュ!』
「火球!」
桃子猫がパリィし、その肩越しに火球を撃つ。
『ギギ…』
一度パリィすれば、骨の棍棒は折れる。
『ギッ!』
「うおっ!」
折れて尖った骨を投げてきた。
折れた後の方がむしろ殺傷能力が高いな。
投擲を警戒しながら、スケルトンを魔法で削る。
やがて全て地面に伏し、蠢くものもいなくなった。
「終わった…」
通路に焦げた骨の山が積もる。
リソースを割いて収穫無しはやってられないな。
手頃な傷ついていない骨を手に取る。
「ソレどうするノ?」
「武器にでもします、使い捨ての」
「ハーン」
桃子猫も一本拾った。
どうやって扱うつもりなのだろう。
両手で挟んで振り下ろす要領で投げる?。
「ハハ」
「?」




