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触れ合い


「よっこい…しょ!」

「え!?」


桃子猫を持ち上げる。


「ナニナニナニ!?」

「ぎゅ」

「…ハ?」


桃子猫の体が硬直する。


「最近触れ合いが少なかったもので」

「ソウ?」

「そうです」


しばらくそのままでいる。


「なんで目を合わせてくれないんですか?」


踏み込む。


「それは…ワカンナイ」

「よっと」

「!」


少し持ち上げて、目線を合わせる。

これでもまだ、桃子猫は視線を逸らす。


「…ソロソロ下ろしテ」

「あ、はい」


惜しくも下ろす。

これだけやって、むしろよそよそしくなった。

預かり知らぬ確執が、なお心配だ。


「待ってテ」

「え?」

「もうちょっと、待ってテ」

「あ…はい」


目を合わせて言ってくれた。

それだけで、大分信じて待てる。



手を繋いで、何となく歩いてきた。

行き着いた先はいつもの広場。

今回は、座る場所もないくらい賑わっていた。


「なんでしょうね、この集まり」

「アレじゃない?」


桃子猫が指さす先に、見たことない大きな掲示板。

指先を看板に合わせて、虚空をつつく。


『新イベント・深淵からの呼び声』


そういえば、今日からか。

PVPVEイベント、深淵からの呼び声。

このゲーム初の期間限定イベントで、

あらゆるプレイヤーがこぞって参加するだろう。

参加しない手はない。

開始は二時間後か。


「どうします?」

「ヤルに決まってル」

「ですよね」


血がたぎっているようだ。

だが一つ懸念点がある。


「桃子猫さんって、

プレイヤーと戦ったことあります?」

「ナイ」

「ですよね」


これまで倒してきたモンスター達も、

予備行動ありきの突進ばかりだった。

ここらで一つ、整えておくか。


「桃子猫さん、

弓が完成するのもイベントが始まるのも

時間がかかるので、私と試合しませんか?」

「試合?」

「はい、訓練場だとダメージは無いので、

PVPを想定した戦いができると思います」

「イイネ」



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