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崖の下のトランポリン

聞き覚えのある怒号。

耳を塞いでいたおかげで、

声の方向を見つめることができる。


「ウ…」


不意の遭遇で、桃子猫は耳がやられてしまっている。

対処できるのは私だけ。


「火球」


矢に火球をつけ、番える。

谷から影が飛び上がる。

そこの見えない谷から、

なんて跳躍力…だがすぐに落ちていった。


「…え?」


谷底にトランポリンでもあるかのように、

獅子巨人が同じ場所を上下している。

かつて橋がかかっていた場所で。

もしかすると、

自分たち以外にも他数こいつに遭遇して、

その度に跳躍して橋に着地するから、

落ちてしまったのか?。

ありうる。


「…エ?」


桃子猫もあの状態を見たようだ。


「ナニアレ…?」

「橋が落ちてああなった…んだと思います」

「ヘエ」


拍子抜けで、気が抜ける。


「あ」「ア」


軌道を変え、

奥の岩石砂漠地帯に獅子巨人は着地した。

そしてピクリとも動かなくなった。


「ハーン…」


ゲームに慣れた私達ならわかる。

あの動きは、敵が待機状態になった時のそれ。

奴はこちらを見失った。


「…探しましょうか」

「ウン…ア、あった」

「あ、ほんとだ」


茂みに分かりやすく刺さっていた。


「じゃあ、帰りまッ」


肺から空気が一瞬で抜ける。

そして前方に吹っ飛ぶ。


「ランさん!」


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