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このゲームのことだから


夜。


「コレ買って…ピンク色にすル!」

「はい…」


長すぎて、周りの獣人が全員入れ替わっている。

一つも品切れが出なかったのは幸運だった。


「ランさんはどれにすル?」

「え?」

「弓矢」

「あー…」


店主に話したのを聞いていたか。


「今回はちょっと、やめときます」

「ナンデ?」

「あ」


桃子猫が背後の売り場に駆け寄った。


「…足りないネ」


なあなあで財布を預かってはいたが、

勘定はしっかり数えていたらしい。


「そうなんですよ…」


ここで改めて、弓矢を間近で見る。

何の変哲もない、ロングボウやコンポジットボウだ。

本当に、特別なものは無い。


「…もしかしたら、自分でも作れるかもしれないです」

「そうなノ?」

「ええ」


弓を持ち上げ、弦を引き絞る。

このゲームでいくらか試したことのある、

弾性の物理演算。

武器をアイテムとして認識しているのではなく、

素材をもって成形されたオブジェクトが

武器として扱われているだけ?。

攻撃力の仔細を冒険者ギルドの受付嬢に聞いた時、

攻撃を武器に限定した言葉は

出てこなかった気がする。

石ころや木切れでも戦えると、運営は銘打っていた。

なら形さえ再現出来れば、

店売りの武器と同じ攻撃力を得られる?。

このゲームだからという思考放棄の論理が、

決定的な結論を既に導き出している。


「まあ、矢は買っておきましょう」


短弓は一種類の木材から作れるが、

矢はそうはいかないだろう。


「ワカッタ」


矢の近くにいた桃子猫が、商品を持ってくれた。

その足取りは、

どこかで見た時のように浮ついている。

やはり買い物が好きみたいだ。

会計を済ませて、人を掻き分けながら店を出る。

財布もだいぶ軽くなった。


「で、次は武器を染めるんでしたっけ」

「ウン」

「なんなら初期装備もイッちゃいます?」

「ウン」

「あ、本当に」


となればとうとう、全身がピンクになる。

いよいよ、魔法少女の隣に立つ珍獣みがでてくるな。

まあそれ程に様になっているということだけど。


「また持ち上げますね」

「ン」

「見えますか?」

「見えなィ…ア」

「見えました?」

「なんか…看板」


指が指された方向に歩く。

人の溢れたこの場所の、

地図が表された掲示板だった。


「…へへ」

「こんなこともありますよ」


どうやらここは、

放射状に店が広がる商業区の、中央広場のようだった。

染色屋は丁度看板の裏、直進方向にある。


「行きましょう」

「ウン」


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