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パーティ結成


ひとしきり回った後、同階のカフェに寄った。

歩き回った影響で小腹が空いていたのも、

好都合だった。

そして例に漏れず、

ここもまた女女のカップルが多い。


「コノ、抹茶フラペチーノと、

チーズケーキ一個ずつ、ランさんは?」

「ああ、そうですね、カプチーノ一つと、

プレーンのケーキドーナツを二つ、お願いします」

「ご注文は以上でよろしいでしょうか?」

「はい」

「かしこまりました、ごゆっくりどうぞー」


店員が去り、桃子猫と向き合う。

目が合う。

逸らされる。

先程のテンションが冷めて、

恥ずかしさが込み上げてきたのだろうか。

気が紛れる話題は…。

やはりドッペルフリーか。

即座にスマホを起動し、

ドッペルフリーのホームページに移る。

お。

画面を桃子猫に見せる。


「明日から、イベントが始まるらしいですよ」

「ホントだ」


ダンジョンエクスプローラー。

期間限定で地下ダンジョンが公開され、

そこでPVPVE、モンスターとプレイヤー、

プレイヤー間での戦いを行うらしい。

最下層のボスを倒せばクリア。

プレイヤー間での協力も想定されているらしく、

それに伴ってパーティ機能が実装されるらしい。


「へー」

「面白そうですね」

「ネ」


パーティ機能と聞いて、やはり連想する。

桃子猫もそうなのかもしれない。

ここはやはり、桃子猫のために一歩を踏み出す。


「その、桃子猫さんがよかったらでいいんですが、

私とパーティになって、

これからも一緒に遊びませんか?」


言うだけ言った。

後は反応を待つのみ。


「ソノ…よろしくお願いシマス」


了承された。

告白でもしたかのような余韻だが、

きっと気のせいだろう。

ホームページを開いたついでに、

魔法のバグらしき何かについて報告しておこう。


「何してるノ?」

「バグっぽい現象を報告してるんです、

桃子猫さんと別れた後、

訓練場に行った時に見つけまして」

「訓練場って、何があるノ?」

「近接武器を当てる用の人形と、的ですね」

「的があるっテことは、弓矢もあるネ」


確かに。


「そうですね、

ただ前に行った武具屋にはなかったので、

別の店か専門店に行く必要はありそうです」

「ネ」

「お待たせいたしましたー」

「ォ」


料理が届いた。

名前ごとに手を挙げ、皿が置かれる。


「オー」

「美味しそうですね」

「ウンウン」


店の内装からも感じてはいたが、

やはりチェーン店とは一線を画す高級感がある。

プレーンのケーキドーナツ一つとっても、

細かい気配りがある、ような気がする。


「では…」


手を合わせる。


「いただ…」

「アッいただきまス…」

「きます」


言葉がつかえた時、桃子猫はある方向を見ていた。

そして今も、視線だけはそちらの方向を見ている。

見てみよう。


「あーん」

「あーん」

「ウフフ」

「アハハ」


隣のカップルが、

フォークと料理をもって睦あっている。

カップルの構成は言わずもがな。

それを見ながら桃子猫は、

チーズケーキのスポンジをフォークで弄んでいる。


「…やります?」


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