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トランクの旅


『ガチャ』


鍵を開ける音。

誰かが入ってきた。

黒服だろうか。

とりあえず左端のキャリーケースに入ろうとしたが

中身がパンパンに詰まっている。

急いで物を出して適当なところに収納し、中に入る。


『はー、だる』


男の声。


『フンッ』


私が入っているキャリーケースが押され始める。


『あー重っ人でも入ってんのか』


ご明察で、背筋が凍る。

だが難なく地上まで来た。


『持ってきたぞ』

『全く、あのお嬢様も困ったもんだ』

『ああ』


男が一人増えた。


『フンッ』


キャリーケースが持ち上げられ、

なにかに置かれた。


『バン!』


この独特な閉める音、車のトランクか。


『出すぞ』

『おう』


車が走り始めた。



車のエンジンが止まる。

トランクが開けられ、

キャリーケースが持ち上げられた。

何時間走っただろうか。

何か建物の中に入ったのか、

涼しい空調が伝わってくる。

エレベーターに乗る、

重力の感覚的に地下に行っている。

エレベーターを下りて進む廊下は、

キャリーケースの車輪から伝わる

振動からも異質なのがわかる。


『コンコン』


ノック音。


「ン」


桃子猫の声…!。


『失礼します』


扉が開きくつずりでケースが揺れる。


『ご指示の通り左端のものを持ってきました』

「ン」

『失礼しました』

「ン」


オフの桃子猫の声だ。

最低限のやり取りでケースは置いていかれる。

早速桃子猫が手をつけた。


『ジィ〜』

「!」

「…へへ」


隙間から感無量といった顔が覗く。


「ランさーーーーん!」


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