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タワマン


「おー」


高く、そして太い。

高層階の家賃は月いくらになるだろう。

エントランスに入ろうとするが、

オートロックに阻まれる。

桃子猫が住んでいる部屋を呼び出すが、

反応はない。

それはそうだ。

アパート暮らしだから

オートロックのことを完全に忘れていた。

電子錠にごねても仕方がない。

もっと温かみのある誰かは…。

ガラスの向こうで、

景観重視の庭を掃除している人を見つけた。

おじさんかおばさんの二択だったが、

近づいておばさんだとわかった。


『あの…』

『ん?』

『これ…』


免許証を見せつける。


『あんたそれをどこで…』

『!?』


急接近してきたので離れる。


『返しなさい!』

『違う!あなたのもの!』

『あんたのものでもないでしょ!』


それはそうだが。


『雨桐ちゃんはどこなの!?』


雨桐とは確か桃子猫の名前。


『私も、知りたい!』

『なんなんだいあんた!?』

『友達!』

『友達…』


おばさんは落ち着いて、そして地面にへたりこんだ。


『毎朝挨拶してくれるんだ…

こんなところで暮らしてるボンボン共とは違う、

天使みたいな子さ。

あの顔のいい笑顔を見れるからここで働けた』


くしゃくしゃにした顔を隠した。


『それがもう三ヶ月顔も見れてない、

変な黒服は毎日出入りし始めるし』


この人にどこまで話していいものか。


『実は…』



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