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腹ごしらえ


「お腹空いた」

「ああ、ではちょっと休憩しましょうか」


荷物を置き食料を取り出す。


「オー」


桃子猫が一方向を見て唸った。

そちらを見る。


「おお」


朝日だ。

風情がある。


「勝てるカナ」


桃子猫が唐突に吐露した。

きっと獅子巨人のことだろう。


「勝てますよ、私達二人なら」

「…ソだね!」


何事も無かったかのように肉を食べ始める。


「今のうちに行動パターンのおさらいでもしますか」

「ウン」


起動時は咆哮し、崖からジャンプしてやってくる。

そして俊足の殴打を一発。

前はまぐれでこれを防いでいたはず。

そしてヘイトが高い順から殴りに行く性質。

これを利用してハメたこともあったが、

今は火球一発で取り返しのつかない

ヘイトが私に向くだろう。

それを桃子猫にどうにか防いでもらいたいが、

獅子巨人と桃子猫が接近しすぎると、

火球矢に桃子猫が巻き込まれてしまう。


「どうしましょう」

「ソレを考えてたノ」

「なるほど…」


これは確かに拭えない不安要素、

というよりもはや作戦の

欠陥になりうるかもしれない。

どうしてもっと早く気づかなかったのだろう。

火竜の時のように

敵が一直線にしか来れないような

シチュエーションだと、桃子猫が

前にたちはだかるだけで

コンビネーションが成立する。

しかし今回はだだっ広い砂漠の上での戦闘。

簡単に回り込まれたり、

あるいは飛び越えられたりも容易だろう。

さてどうしたものか。


「ランさん」

「はい」

「あそこら辺に、矢の火球撃ってミテ」


桃子猫はなんでもない地面を指す。


「わかりました、火球」


言われた通りの場所に放ち、当然爆発する。

そして何の変哲もない小さなクレーターが誕生。


「ココ…イヤ、ココまでかな…」


爆発の半径を測っているように見える。


「ウン、近くで戦オウ」

「近くで?」

「ランさんがと私との距離が遠いト、

100%のカバーは難シイ、

今でもアイツを追い越せるか分からないし」

「確かに…そうですね、

ではどれくらいの距離感で戦いましょう」

「ココにアイツがいるとすると…」


クレーターの中心を指さした。


「ランさんはココ」


指したのは爆発の外縁のから少し離れた場所。


「お姉様は?」

「私はココ」


クレーターの外縁を指さした。


「そこだと爆発を喰らいませんか?」

「直前で避ける、だから当てる時は言ッテ」

「わかりました、急所をなるべく狙って

奴の立て直しを少しでも遅延させますね」

「ウン、お願い」

「最初はどうします?初撃を不意打ちするか、

最初から作戦通り近づくか」

「ウーン、不意打ちでイコ」

「了解しました」


確実にダメージを与えられる保証がない以上、

貴重な一撃となるだろう。

話しているうちに諸々を食べ終えた。


「行きましょうか」

「ウン」



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