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アクセサリー鑑定


商業区。

相変わらず人でごった返している。


「この前のイベントで得た宝飾を換金しましょう」

「ドコで売ロウ」


商業区を見渡す。


「あそこですね、アクセサリーショップ」


人をかき分けながらたどり着く。

外観は白猫が店主の店のようなファンシーさと、

趣味の悪い輝きを放つ宝飾が施されている。

客は少なく、

だが誰もが熟練を思わせる服装をしている。

制服を着ているNPCはその点逆に目立つ。


「すいません、換金できますか?」

「鑑定はお済みでしょうか?」

「鑑定…しなきゃいけませんか?」

「隣接された鑑定所でご鑑定いただくと、

適切なお取引をご提供できます」

「わかりました、やってきます」


無知を晒し衆目に晒され、

いたたまれなくなりながら店を出る。


「めんどクサイね」

「ええ…」


このゲームは、

簡略化していい要素を無駄に追求している気がする。

それがいいのかもしれないが。

隣のデザインが侵食されている建物に入る。

ここは先程よりもより人が少ない。

と、思ったら外の喧騒が止んでいる。

個人用の空間に移ったようだ。

ギルドと違う点は隣に桃子猫がいること。

話が長くなりそうな予感がする。

店員は、カウンターに佇んでいる片眼鏡の老爺一人。


「鑑定したいのですが…」

「はいはい、何を鑑定なさいますか?」


推奨に敷いていた風呂敷から、

ネックレスなどの宝飾を取り出す。


「これを」

「はいはい、少々お待ちくださいね」


心配になるくらいおっとりとしている。

老爺は様々な紋様が施された

円柱をカウンターに置いた。

そして円柱の太さに応じた宝飾を刺し始めた。


「結果が出ました」


早いな。

突如ウィンドウが出る。

ウィンドウには宝飾品の名前と効果が記されている。


「口頭でも説明できますが、如何なさいましょう」

「いえ、大丈夫です」


鑑定結果はこう。

火属性耐性の指輪(カット率10%)

殴打属性強化の指輪(増加率5%)

刺突属性耐性の指輪(カット率3%)

水属性魔法強化のネックレス(増加率8%)

毒、麻痺耐性のネックレス(カット率30%)

まあ、うん。

耐性装備は着けておいて損は無いだろうが、

他が微妙だ。

コンセプトに合ったものが一つも無い。

桃子猫は指輪を付けられないだろうし、

私は水属性魔法など覚えていない。


「どれを売りましょう」


一応聞いてみる。


「毒、麻痺と火属性耐性、

殴打属性強化は持っとくトシテ、それ以外売ロウ」


同じ意見だ。


「はいこれ鑑定書ね。

落とさないように気をつけるんだよ」

「はい、ありがとうございました」

「ゴザマシタ」

「毎度あり」


店を出て、街の喧騒が舞い戻る。

隣のアクセサリーショップに移ろうとした時、

プレイヤーに緩く前を遮られた。


『あんたがた、今しがた鑑定を受けてきただろう?』


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