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圧迫キス


意識が覚醒する。

いつもの広場。

いつものピンク色の外套に、弓杖。

そして桃子猫。


「ン…」

「おはようございます」

「オハヨ」


立ち上がり腕を回す。

やはりここでは桃子猫の方が下。


「ふ」


思わず笑みが零れる。


「ム」


早くも動物の勘で愚弄を察したのか、

身体に飛びついてきた。

そのまま顔が近づいてくる。

その顔は一定の距離を保ちつつ、

最大限の圧迫を与えてくる。


「無理無理無理!無理ですってば!」


セクハラ防止のバリアーが、

桃子猫の顔が近づくほど顔にめり込む。

離れようにも首の角度は限界に近く、

力負けしているので桃子猫は剥がせない。

顔面の毛という毛が倒れているのに、

まだ迫ってくる。


「うげー」


とうとう体ごと後ろに倒れてしまった。

桃子猫に見下される。


「ワカッタ?」

「…はい」


何がわかったとも言われていないのに、

分からされた。


『クスクス…』

『ははは』


何か微笑ましいものを見る笑いをされる。

少々居心地が悪い。


「い、行きましょう」

「ウン」



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