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桃子猫の弱み


「何スルー?」

「うーんそうですね」


時刻は午後五時。

何をするにも中途半端な時間だ。


「出前取りましょうか」


出不精の常套手段。


「オー、イイね」

「何食べます?」

「ランさんのオススメ」

「ほほーう」


カツ丼は昨日食べて、今日はそばを食べた。


「昨日の夜、何食べました?」

「えーと、寿司」


流石にいいものを食べている。

丼物、麺類以外だとあと何が残ってる?。

決めるのはなかなかに難しい。

この際いくらかダブるのは避けずに、

日本料理を堪能してもらおう。


「天丼、どうですか?」

「なんだッケ?」

「天ぷらが乗っている丼です」

「ほー、美味しソウ」

「どれ食べます?」


画面を見せる。


「ランさんのオススメ」


頑なだ。


「んー」

なるべく美味しそうな…

ならもっと評判のいい店を選ぶか。

種類が豊富そうでかつ王道の具があるやつ。

スペシャル天丼。

大ぶりのえび天にさつまいも、

なすなど各種具材全盛り。


「これとかどうです?」

「イーネイーネ美味しそう」

「ならこれにしますね」


アプリで注文する。


「到着は一時間後だそうです」

「ン」


現金を渡される。

画面を見た時に確認したのか。

にしてもよく毎度きっちり出せるものだ。

…もしかして小銭を全種類何枚も持っている?。


「もしかして、今日のために小銭を蓄えていたとか?」

「ウッ」


桃子猫が初めて声を漏らした。

何か弱みのようなものが見えた。

逃す手はない。


「ははーん、なるほどなるほど。

年上らしくカードも小銭もスマートに

支払いたいと…そういう魂胆ですねぇ?」

「フグ…」

「そして日本旅行を即決した人間が、

日本貨幣を大量に所持しているとは考えにくい…」

「ォ…」

「導き出せる答えは…そう、妹さんに借りましたね?」

「ギクッ」

「お姉様と呼ばせる人が、

まさかそんなに健気な努力をするとは、いやはや…」


これでもかというくらいに煽る。

攻められたお返しだ。


「…」


黙り込んでしまった。

やりすぎたか。


『ガバッ!』


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