惑星ロケットバグ
ゲーム内で十日後。
探索ゲームの素材とツールの順当な
アップデートを繰り返し、結構な戦力となった。
そして万全で迎えた夜。
来た。
星々の間を、縫うようにして戦艦が現れる。
それはこちら側の近未来的な見た目に反して、
無機物に生物が寄生したような
少しグロい見た目だった。
それらが三隻現れる。
初日だからなのか、
戦艦はタレットの有効射程に入った途端、
火を吹いて沈むほど弱かった。
こちらの準備が寧ろ入念すぎたのかもしれない。
探索と襲撃を繰り返す内、
こちらの戦力に敵の戦力が追いついてきた。
採掘と建築を自動化してみたものの、
敵の加速度的な増強で補修にばかり
リソースが割かれる。
そろそろこのゲームの本領である、
他惑星への移動と
インフラの開拓を試みるべきだろう。
幸いにもロケットの素材は足りている。
一番近い星への往復分も。
早速建造し乗り込む。
建築に時間がかからないのがストレスフリー。
発射。
「お」
大気圏外に出たところで画面が止まる。
マウスをどう動かしても視点は動かない。
フリーズしたな。
とうとう来たか。
これがおそらく依頼の元であるバグか。
ムービーシーンであるなら、
まあよくあるバグだろう。
アプリを再起動。
セーブはなくまた最初から。
ここまで一時間弱。
再現性を求めて原因究明するなら、
もう少し巻きで行きたい。
今度は即あの立方体の元へ行き、
最低限のタレットを置いてロケットを建造する。
目標もまた近くの惑星。
今度は…素直に飛び立てた。
視点も動かせる。
これでフリーズすれば、
飛び立つ時点の確実なバグとして
簡単に報告出来たんだが。
長引くだろう。
少し休憩。
「…」
寝てる。




