感触
意識が覚醒する。
と同時に熱気が体にまとわりつく。
「暑っつ…」
桃子猫とくっついて寝ていたせいか、
非常に蒸し暑い。
ヘッドセットを外し、桃子猫を探す前に視界に入る。
視界いっぱいに桃子猫の顔。
なんだか近くないか。
そして近づいてないか。
なんで目を瞑ってらっしゃるんですか。
「あのー…」
『ばっ』
返事もなく、瞬間的に布団にくるまった。
アルマジロの如く。
「お姉様ー…」
「グー」
そう言いながら緩慢に呼吸をしている。
今更寝たふりは流石に無理があるだろう。
「別に怒ってませんよ」
「…」
「確かに成人向けエリアに黙って連れてこられたのは
驚きましたが、ちゃんと説明してくれれば
何も言わずについて行きましたよ」
「…ホントに?」
「本当です。
むしろ説明してくれなかったことに傷つきました」
「…ゴメン」
布団から顔が覗く。
「次からはちゃんと説明してくださいね」
「ウン」
布団を撫でる。
「せっかく旅行に来たんですから、
しっかり休んでください」
「ワカッタ」
腕を捕まれ、布団の中に引き込まれる。
手の平に毛の感触。
撫でろということか。
桃子猫の綺麗な髪に触れるのは畏れ多いが、
本人たっての希望なら仕方ない。
「んフ…」
満足そうな声を漏らしている。
「おっと」
また腕を引っ張られ、肩まで布団に浸かる。
手の位置は頭から離れ、何かに入った。
布と肌が隣合う。
服の中か。




