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レンちゃん視点です。
ポーション事件から半年がたった。
私もだいぶこの体に慣れてきました。そうそう、口調についてですが。
この口調はメイドとして働くなら必要と執事長に言われて矯正されたものです。
ですが、女口調など私にはよくわからなかったですし、何よりプライド的にも嫌でしたのでこうして丁寧語で話すようにしているのです。これなら男女の差がなく話せますし。私って賢いですね!
最初は口に出す言葉だけを女口調にしていたのですが、とっさに男口調が出てしまうのが問題になりまして…
それで心の中で話すときにも女口調を意識するようになったというてわけです。
そうはいっても時々ぶっきらぼうな喋りになってしまうので、私もまだまだなのでしょう。
この半年は体に慣れないこともあって色々と苦労した思い出があります。例えば、先月の話なんですけど…
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「レン!警備班の連中にこの弁当を届けてくれないか?」
料理長が私に言いました。最近の料理長は私と話すときにはいつも胸元ばかり見ています。
これはきっと…この前にソースをこぼして、胸元にシミのある状態で仕事をしていたせいでしょう。
メイドたるものいつでも清潔を心がけるように!とは料理長のお言葉です。
しかし、もうあれから2週間も経つのに今だに胸元を注意されるのでしょうか?
「料理長!お弁当の配達は了解しましたが、もう私の胸元にソースはついていませんよ!仮にこぼしたとしても着替えてから仕事をするようにしていますし!」
「お!?おぅ…。今日の昼までに届けてくれればいいからな。」
料理長が挙動不審です。注意しようと思っていたことを先に言われてしまったからでしょうか?
だとすると私としては嬉しいのですが。ちょうど1本取れた形になりますし。
それにしても、警備班の方々とお会いするのは久しぶりですね。もう3ヶ月は経つでしょうか?私はここ数ヶ月はメイドとしての訓練と、女としての訓練をするために執事長とつきっきりでしたからね。
食堂に戻れたのもつい最近のお話ですし。親身に教えてくださった執事長には感謝しかありません。
でも…。女としての訓練にはリュウも参加するものとばかり思っていたのですが、私だけでしたね?
執事長に聞いてもはぐらかされるばかりでしたし。まぁ、彼も元気にしているでしょう。
早速このお弁当を配達に行きましょうか。警備班の方々は今どこにいるのでしょう?詰所にいない可能性もありますからね。ここは執事長にでも聞いてみましょうか。
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「失礼いたします。食堂班のレンです。」
そうノックをすると、すぐに執事長から入室の許可がありました。
執事長は机に向かって書類仕事をしています。書類の山が今にも倒れそうなほどそびえ立っています。
「何か用事かな?見ての通り今日は一段と忙しくてね。」
執事長は目元を抑えながらそう言いました。あまり時間を取らせてしまっては申し訳ありません。要件に入りましょう。
「料理長から警備班の皆さんにお弁当を届けるように言われたのですが、警備班の方々は今どちらにいらっしゃいますか?」
執事長は少し考え、胸元から懐中時計を取り出しながら答えた。
「ふむ、この時間は詰所で書類仕事をしている予定だな。」
おや、警備班の方も書類仕事中ですか。このお屋敷では書類仕事が多いんですねぇ。私の属する食堂班ではそこまで書類仕事を見かけないので、少し驚きました。
聞きたいことは聞けたので、手早くお暇してしまいましょう。
「ありがとうございました。では、私は警備班の詰所の方に向かいます。」
執事長に軽く一礼して部屋を出ます。
詰所までの廊下でもついついリュウのことを考えてしまいます。
お互いに事故で性別が変わってしまった身です。そんなリュウとじゃなきゃできない話も溜まっていますからね。
あの幼馴染は警備班のキツイ訓練をどう耐えたのでしょうか?女になって体力が落ちたのは私も経験済みですから。
あ、もしかして女だから軽いメニューにしてもらったとかですかね?それなら納得できますけど。
ちなみに私は体力の低下が原因で事故後の出勤二日目の朝に筋肉痛で大変なことになりました…。体のバランスが変わったせいなのか変なところが筋肉痛になりましたが、胸が筋肉痛になったのはやっぱり巨大化しちゃったからでしょうか。
そんなことを考えながら歩くうちに詰所のドアの前に着きました。
次回はリュウちゃん視点です。




