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片思いカンパネラ  作者: 小説/赤月 イラスト/かくりね
15/34

14・メール

 「ああ・・やべえ・・すっげー緊張する」

 試験が終わり、翌日からは解答用紙が返される。

 「英語は今日ないから、返されないよ?」

 緊張に、顔を強張らせ足を小刻みに揺らす佳弥

 「貧乏ゆすりしてる」

 それを見て、拓海は苦笑した。

 「だって・・落ち着かないじゃん」

 「まあね・・佳弥の今後の展開を左右するわけだし・・でも、テストは英語だけじゃないからね?」

 拓海の言葉に佳弥は「それがさ・・」と目を見開きながら机を叩いた。

 「先輩が他の教科も教えてくれたから、意外と埋められたんだよ!」

 だから、絶対前より点数は良いだろうと佳弥は満足そうな笑みを浮かべた。

 「埋めたからと言って、当たっているとは限らないけどね」

 溜息をつきながら呆れた顔をした。

 「いや、俺的に点数はどうでも赤点じゃなければ良い!」

 「なるほど・・」

 佳弥の言葉に妙に納得していた。

 (とは言っても・・良いに越したことはないけどね・・)


 それから、授業のたびにテストを返されたが、その結果に佳弥はテンションが上がりっぱなしだった。

 「うお!マジか!上がった!」

 「今回は、ずいぶん頑張ったようだな」

 教師も明らかな成績アップに驚いていた。

 とは言っても・・

 「まあ、平均点いってないけどな」

 「う・・それを言わないでくださいよ」

 でも、これを知ったら先輩も喜んでくれるんじゃないだろうか

 そう思うと、今日も部活の前に先輩に会いに行きたいと思ったが恐らく今日も生徒会役員もいるだろう。

 「先輩の教室に行くのも、迷惑だろうな~」

 昼休み、おにぎりを食べながら溜息をついていると

 「だったら、メールでもしたら?」

 「あ!その手があった!」

 拓海の言葉に、早速スマホを取り出した。

 「何で、それを一番先に思いつかないのか不思議でならないよ」

 メールを打っている佳弥を見て拓海が呆れた顔をしていた。


 【先輩、英語はまだですが他の教科が返されました。全部前より点数が上がりました!】


 「これで良いと思う?」

 作った文章を拓海に見せた。

 「点数上がったから、ご褒美ください!ぐらい言ってみたら?」

 「いや・・ご褒美はあくまで英語でもらう!」

 「ふ~ん・・じゃあ、それで良いんじゃない」

 「あ!でも、もし英語が駄目だったらまだ涼平先輩に助けて欲しいです!」

 「まあ・・良いんじゃない?」

 「うん・・よし、とりあえずコレを送って返事をまつ!」

 送信ボタンを指でタップした。

 「直ぐ返事来るかな?」

 「どうだろうね・・でも、来るんじゃない?」

 フフっと小さく笑いながら言った。

 「ああ・・何か、今すっげー女子の気持が分かる」

 きっと、好きな人がいる女子はこんな感じなんだろうと思った。

 好きな人と近づきたい

 もっと自分の事を知ってもらいたい

 自分を好きになって欲しい・・

 「なんかさ、胸の奥がキューってなるんだよね・・分かる?」

 胸を押えながら拓海に聞くと、無表情のまま

 「分からない」

 と言われてしまった。

 「はあ・・きっと拓海も恋をしたら分かるよ!あ!って言うか、今好きな人いる?」

 「いるように・・・見える?」

 微かに眉を顰めながら言った。

 「ううん・・分かんない」

 そう言えば、拓海の中学時代の事を聞いたことがない

 同じクラスになって仲良くしているが、普段誰かの話をするとしても・・

 「涼平先輩の事しか聞かないしな~」

 「・・・・」

 「と言う事は・・」

 今、拓海には好きな人はいないということだろうか?と思った時、スマホがブブっと震えた。

 「あ!」

 画面を見て、ドキっと心臓が大きく脈打った。

 「返事来た?」

 拓海が佳弥のスマホ画面を覗き込んだ

 「う・・うん!」

 「早く読んでみなよ!」

 拓海に言われ画面をタップした。


 そして、画面に映し出されたメールを二人で見た


 【英語が分ったら、メールしろ】


 「・・・・・」

 点数が上がった事には触れられなかった。

 「まあ・・そうだよな・・アハハ」

 眉を顰めながらも笑うと拓海は、怒ったような顔をした。

 「ちょっと、冷たすぎない?折角頑張ったのにさ」

 「まあ、テスト勉強頑張るのは当たり前だしな・・」

 「でもさ~・・」

 拓海が眉を顰めたまま口を開いた時、またスマホが震える。

 「あ・・」

 画面を見ると、また港希からだった。

 【でも、頑張ったな】

 「うっわ・・もう・・何だよ~落として上げる!そりゃカッコいいよ~」

 スマホを胸に抱いて体を左右に揺らした。

 「はあ・・タチ悪・・」

 それを見て拓海がボソッと言ったが佳弥は聞こえなかった。



初めまして。赤月と申します。

この小説を見つけてくれて、読んでくれて本当にありがとうございます.゜(o´Д`)+.゜

オリジナルを書くのは、初めてで、何かと手探りな感じです

火曜日更新できずすみません(;'∀')これからも、時折更新遅れることがあると思います(^^:)

でも、最後まで完走することを目指して頑張りますので、興味がありましたら、また覗いてやってください


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