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星に願いを  作者: 広大
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ダイソン君と嫁

 主人からの連絡を貰い急いで位置を特定し転移の為の準備を開始すると。


『おおぅダイソン、そういやぁ頼んでおいた資源リサイクルとSIMデータ取れるだけ取れたか?あの星の奴らはここ百年バカスカ宇宙そらにゴミ打ち上げてたからなぁ、こっちはオリジンじじいがうるさいから無関係な星から取れねぇし資材不足だから有難いんだが、回収終わってからで良いぞ。』


『こちらの任務は全て終了していますので転移の準備中です、痕跡を残さない為の作業に少々時間が掛かると思われます。』


『了解だ、ああそういや俺嫁さん貰ったから。』


『・・・・・ハ?』


『オイオイ、霊体老師と一緒に賢者の石三つも内包しといて[ハ?]は無いだろう、死神のメメントって名だスゲー美人な嫁さんだから母船にも嫁さんの部屋作っといてくれ、そうだな・・・俺の寝室の側にパネル三枚ぶち抜きで良いかな。』


『エ、死神?・・・主様の寝室と言いますと六.九八平米の部屋の隣に三万平米を超える程の面積をですか?』


『良いんだよ俺が決めたんだから、それから嫁さんが俺を英雄にしたいらしくてなぁ色々制限されるだろうから宜しく頼むよ、お前なら俺の嫁さん探れるだろ?嫁さんのデータ収集して良いぞ俺に報告はいらん、その時その時で万華鏡のように変わる嫁さん見るのが楽しいしな。』


『全て了解しました、こちらは転移の準備終了エネルギー調整を始めまウワッ!』


『!!!おい何だ?頭が破裂するかと思ったぞ!』

 言った後自分で作っておきながら人間味溢れ過ぎだろと半笑いになった。


『並列で奥様の動向を探ったのですが、奥様が天界で・・・いや神世界大戦を起こしたようで・・・妖艶な笑顔で高笑いを上げながら殲滅級暗黒魔法をぶっ放してます。』


『・・・・・ハ?』

 今度は俺が間抜けな返事をする番だった。


『何だと!お前は急いでこっちに向かえ!到着と一緒にこの星に霊体老師を一人石を持たせて降ろさせろ、俺とのパスを繋いだままで俺とそっくりに実体化させろ、頼んだぞ俺は嫁さんの妖艶な笑顔ってのを見逃したくないし即刻飛ぶから後は宜しく。』

 そう言って瞬時に転移した。


『・・・・・ハ?』


 ダイソン球型巨大宇宙船ダイソン君のメインシステムが『心配なのは直接見る笑顔を見逃す事?』と間抜けな声を上げた。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 旦那様にあのクズ共を消し飛ばされては困ると思い私は急ぎ天界に戻った、一旦旦那様の動向を探るとどうやら食べ物を探してるようだし安心して自分を落ち着かせる、その後クズ達とその嫁天使バカ共の動向を探るとどうやら会議中で嫁共は離れて居るようだ、会議のメンバーは神域全監視委員会の長が審議委員長を務めているようだ。


「これは好都合だ、人間界禁忌諮問委員会の奴等も同席しているようだな。」


 天界の上階層にある審議宮の大会議室に向かう、会議室の扉の前で深呼吸をしてからノックする。


「誰かね、今重要な会議中なんだがね。」


 中からの審議委員長の言葉に答える。


「私は死天使で階級は熾天使級のペトラルカです、こちらに人間界禁忌諮問委員会の方々もいらっしゃるようですので参りました、人間界の行動で私だけに課せられた禁忌について上訴したい議が御座います。」


「君だけに課せられた禁忌だと・・・済まぬが少々そこで待て。」


 始めは静かだった議場がドアの向こうから声が漏れ聞こえて来て内容が分かるほどの声も聞こえるようになり、人間界禁忌諮問委員会の神達ヤツラの必死な良い訳に紛糾し始めて徐々に怒鳴り声まで上がり始めたが少しづつ落ち着きを取り戻してきたようだったのだが・・・言い訳から始まった言い争いが笑い声さえ混じり始めたので静かに待ちながら聞き耳を立てると。


『死天使と人間などどうせ見捨てられた星の再生など無理だろう。』

『バカな死天使おんなだな程度の低い人間おとこに夢中になってここに乗り込むとは。』

『イヤイヤ、良い人間おとこじゃないですか、あんな死天使いきおくれを貰ってくれるのですからなぁ。』


 そりゃそうだと笑いが上がる・・・堪えろ私!と旦那様を馬鹿にされながらも必死に耐えるが溢れ出る暗黒のオーラを止められない。


『あの姿態だ神々われらに歯牙にも掛けられないからあの人間おとこに色目を使い夢中にさせたのであろう、いやはや黒翼で行き遅れだから節操が無いのも仕方なしですかな、まぁそれに引っ掛かった人間おとこも馬鹿な俗物って事ですかなぁ。』


 怒り心頭に発するとはこの事か、自分の事はいいここまで我慢してきたのだし慣れてしまったが、旦那様の誹謗中傷は駄目だ我慢など出来様も無い・・・

『消し飛ばそう。』

 そう思って我慢する事を諦めた時心が軽くなったそれどころか心が浮き立つ自分に身震いさえしていた。

『今迄耐えて来た自分が笑える。』

 消し飛ばすと言った旦那様が合っていたのだ、そう思えるようになった自分を旦那様に褒めて貰いたいくらいだと思いながら扉をゆっくりと開く、自身に纏う暗黒のオーラが臨界点に達した影響で笑みがこぼれる、臨界点を突破して尚オーラが沸き続け自分の意志に関係無く死神のペットである『エクスデスヘルハウンド』を生み出していく。

『フフフ、バカの魂すら喰らう事の出来るお前たち迄出て来るなんて自分でも気付かない程神達あいつらを消し飛ばしてしまいたいなんてね。』

 ヘルハウンドの上位種は死神の中で自分だけが呼び出せる可愛いいペット、ファントムソウルを纏わせた遠吠えは耳に心地良い、扉が開き切ったのださあ行こう全て消し飛ばすために静まりかえった場に一歩を踏み出す昏くとも妖艶な笑顔を張り付けたまま・・・


「何だお前は!出て行け!」

「黒翼の薄汚い奴は入って良い場所では無いぞ!」


 人間界禁忌諮問委員会のうちのバカ二人が吠えた瞬間消えうせた。


「あらあら、そんな汚い魂など食べてお腹を壊しても知りませんよ、御免なさいね家のワンちゃん躾が良いから下衆野郎の下衆な言葉が気に入らなかったようで綺麗にお掃除してしまったのね。」


 そう言いながらも疑問が湧き上がる、ペットが強すぎるそして自分自身も底が無いのではと思う程力が湧き上がり身体強化も未知の領域に達しているのがわかる、何故?と一瞬思ったが分からないので『いつか分かれば良いんじゃね。』と先送りにした・・・答えはコウダイから護ってくれと頼まれた友達オリジンがペトラルカに気付かれないようにコッソリと力のパスを繋いでいたのだからオリジンの力を使いたい放題である。


「ワンちゃんの勇み足は御容赦下さい、私が殺しはなし合いを願うは人間界禁忌諮問委員会の方々ですので他の神様方は口出し御無用でお願いします、では仕切り直しを・・・」


 口上を言い終わらぬのに”ドオオンッ!”と自分を囲うように光の柱が上がる、アトミックレイかパニッシュか分からないが先制攻撃されたようだが痛くも痒くも無いしペットに消される始末なので溜息交じりに口を開く。


「もうホントお前らクズだな、それにワンちゃん達もハウスよ、しかし言葉使いに気を使ってた自分が馬鹿らしくなる、こっちは積年の恨みも有るから一匹づつ殺しはなし合いして行こうかと思って居るのに・・・まずはお前だイムジョン!呼び出す度に体をベタベタ障りながら『いつ愛人になるのか?』と迫るばかり反吐が出る!」


 言い終わる瞬間に手のひらを向けてダークグレアレイを一瞬放つ、消し飛ばさないように魂から狙いをずらして穴だらけにしていく、相手は必死で再生しているが。


「あ!失敗しちゃったわ、あそうそう飛んで逃げようなんて思わない方が良いぞここから直径二十キロに多重結界張ってるから、イムジョン消したし次はキムジャ!お前だ強姦寸前に迫りながら『体だけは使ってやる!』と豪語していたな私も良く我慢したと思って居るよ、まぁ旦那様の事を好き勝手言っておるのを聞いて枷が外れた思いだがな。」


 攻撃しようとした瞬間に転移で逃げ出し結界の天井に当たり実体を現した、追いかけるのも面倒なので気配に向かって拡散させながら殺さぬように弱めにダークグレアレイを放つと大会議室の天井が消し飛んだ。


「ウフフフ・・・アハハハ!逃げろ逃げろ、お前に襲われた若い天使おんな達の気持ちが分かるかこの強姦野郎お前が逃げ隠れするほど宮殿が壊れ穴だらけになって行くぞ。」


 人間界禁忌諮問委員会の他のメンバーが逃げようと動いたのでそっちにも攻撃を加えるとメンバー全員が逃げ始めた、私は上空にゆっくりと飛び上がりなぶるように攻撃を再開する。


「楽に消し飛ばしはしない、逃げろ逃げろ、アハハハハどうしたどうした、魂は消しておらんぞ体は半分消えるがな、アハハハハ!」


 興が乗りはじめた時。


「おーっ!すっげー妖艶な美人が目の前に!惚れ直した!サイコー!抱きついちゃう!」


 突然目の前に旦那様が現れ私に抱き付かれた瞬間意識が遠のいた。

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