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ストーカーとか勘弁してくれ

初めての作品です。よろしくお願いします。

目が覚めたら俺は女になっていた。しかもお嬢様に。


なんでこんなことになってしまったのだろう。事の発端はストーカー女にある。


俺は自分で言うのもなんだがかっこいい。それは別にナルシストでもなんでもなく、本当にかっこいいのだ。街を歩けば必ずスカウトされるし、告白された数なんで数え切れない。


だからなのか俺はストーカー被害によくあった。でもそれは後をつけられるとか、家に手紙を送り付けられるとか、あまり被害のないものだった。だから警察にも行かなかったし、誰かを頼ることもなかった。


でもまさかこの時警察に行かなかったことを、こんなに後悔するならなんて思いもしなかった。



「あーー!!くっそ!!またか」

最近よくつけられる。別に今に始まったことではない。だが毎日つけられるのは勘弁して欲しい。3日に1回とかなら許せるのだが。


何もしてこないならいいが、気分のいいものではない。だから少し早歩きになってしまうのも、仕方の無いことだと思う。


俺はこういう状況におちいった時の解決策はわかる。人通りの多い場所に行けばいい。そこならまける。早く目的の場所に行きたくて、今まで以上に早歩きになる。


だから気が付かなかった。俺をつけていた女がすぐ近くまで来ていたことに。


「晶くん!!まって!!私、ずっとあなたのこと見てた。晶くんのことが好きなの。愛してる。だから晶くんも私のこと愛して」


不意に聞こえた気持ち悪い言葉に、俺は思わず振り向く。そこには今までつけていたと思われる女が立っていた。見覚えはない。


俺はそいつを無視してこれまで以上に早歩きにする。こいつやばい女だ、と頭の中で警報がなっていたから。


「晶くん晶くん晶くん晶くん晶くん晶くん晶くん晶くん晶くん晶くん晶くん」


逃げる俺の名をストーカー女はひたすら呼んだ。そいつは俺を追いかけてくる。ストーカー女は異様に足が早かった。


もうそこで耐えきれなくなって、走り出す。だが腕をなにかにひかれ、立ち止まってしまった。


ストーカー女か俺の腕を掴んでいる。本当に女か?と思うほど、ストーカー女は俺の腕を締め付けてくる。


「離せ!!気持ちわりーんだよ!!」


精一杯の力で、俺はその手を引き離した。その時、ストーカー女の目が据わった。


「私を拒絶するの?私はこんなにも昌くんのこと愛してるのに。なんで晶くんは私のこと愛してくれないの?なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで」


壊れたようになんで、を繰り返すストーカー女から早く逃げたかった。そう思うのに、なぜか体は動かない。


「私を拒絶する晶くんなら私いらないや。」


ストーカー女はとても明るい声でそう言った。言っている内容は全く明るくはない。


その言葉は俺を恐怖で支配するには十分だった。何するつもりなんだ。この女。大体の予想はつく。だが認めたくなくて、違う答えを探している。


逃げなきゃ、逃げなきゃ、そう言い聞かせても、足は動いてくれない。


女はしゃがみこみ、したにあったブロックを掴む。なんでそんな所にブロックがあるんだよ!!と現実逃避で頭がツッコミをいれた。


「うわあーーーー!!!」


足が動かないなら、せめて声でと思い俺は大声をあげた。誰か早く来て、でも来る気配などない。


ガン!!


頭に衝撃が響いた。体が崩れ落ちる。


あ、俺死ぬんだ。


薄れゆく意識の中で、ストーカー女の笑い声が聞こえた。

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