挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

ブックマークする場合はログインしてください。

2018年の大雪を地元民が愚痴るだけのエッセイ


「あはは……はは……はぁ……」

 笑うしかない。
 そんな状況。

 今年は1月から多く雪が降るなぁと思っていた。
 ここ数年を見ていれば2月あたりに雪が降る本番がやってくることが多いように感じていたこともあり、あぁ、今年は本番が早く来たのだろう。そう推測していた。

 だけれども、それは間違いだった。

 本番はきちんとやってきた。
 昨日やってきた。

 昨日、2018年2月7日、火曜日。
 私はいつものように朝6時前、辛うじて5時台に目を覚まし、そして窓から外を見た。
 いつもと同じであれば私の視界には駐車場に停めてある車が目に入るはず。
 だが、まだ暗いながらも明らかにおかしい白い大福ができている。

 白大福。

 数階上の位置にある関係で、車を上から見るような視点ではあるけれど、どうにもおかしい。
 だが、しんしんと降る雪も目に入る事から、車に雪が積もっていることは否が応でも理解せざるを得ない。

「あぁ、だめだ。」

 そう口から洩れた。
 だけれども、その言葉には『雪かきめんどくせえ』くらいの意味しかなかった。

 というのも今年は1月にも白大福に近い状態になる程度に雪は降っており、その時は掘り起こし、通り道を雪かきすれば遅刻ギリギリで会社に間にあったのだ。だから今回もまた同じ程度か、多くてももうちょっとヤバイ程度だろうと高をくくっていたのだ。

 その証拠に私は、確認後にいつも通りにシャワーを浴びてご飯を食べて出勤準備を進めた。
 そして、会社に向かおうと扉を開く。

 だが、20センチしか開かなかった。

 押し戸が雪の抵抗を受けていたのだ。
 うぉ、と思いながらも力を籠めて数回押し自分が通れるだけを開く。

 そしてようやく自分の眼で状態を確認し、笑うしかなかった。

 一晩で60センチ以上積もっていたのだ。
 60センチ以上と聞いて、腰の高さにも満たない事から『大したことない』と思う人もいるだろう。

 そこは声を大にして言いたい。

 「マヂむりだから」と。

 一晩で60センチ以上。
 そして夜が明けても延々ずっと降り続けているのだ。
 勾配のあるところや段差。風の集まるところ等では余裕で腰なんて埋まる程度には降っている。普通に60センチなんか軽く超えてるわもう。

 やばいやばいやばいやばいやばい

 そんな焦りから最近使う機会が多く表に出しっぱなしにしてあるスコップを持ち駐車場へと向かう。
 だが向かおうとすれば既にご近所さんが雪かきに悪戦苦闘している姿があるではないか。しかしその雪かきのペースは遅い。明らかに量がヤバイ。
 まだ誰も踏んでいない雪を踏めば、ぼぼぼぼっと埋まってゆく足。数歩歩いて『あぁ、今日はもうこれ無理だわ』と察するのは当然。
 なにせ道路に除雪車が入っていないのだ。
 無限軌道でもついていなければ雪上を車が走れるわけがない。

 もう車での出社は無理。
 頭でそうだとわかっていても悲しいかな社会人のさが
 なんとか出社できないかと、もがかずにはいられないのである。

 ご近所さんと一言二言、雪に対する愚痴の挨拶を交わし、すぐに駐車場の白大福の救助に向かう。

 掘る。掘る。
 雪を掘る。
 スコップを振るい雪をどけてゆく。

 だけれども深い。
 そして雪質が重い。
 ぎっしり凝縮されている感がある。
 直感で、あ。これ溶けにくいタイプのヤツや……と溜息が漏れる程度に重い。

 だけれども雪かきするしかない。
 ご近所さんも、普段この時間に雪かきをしていないであろう家族まで出てきて雪かきしている。

 もしかすると人海戦術で道は開けるかもしれない。
 頭ではムリだとわかっているけれど諦めきれない気持ちから増援を励みにただひたすら掘る。

 しかし……私の駐車場は私の車が停めてある所まで直線距離で10mくらい進まなくてはならないのだが、30分掘って半分も進めなかった。
 無理だとわかっていることは、どう足掻いてもやっぱり無理だったのだ。

 私は車を諦め、車の雪下ろしもせずに徒歩での通勤に切り替える。

 徒歩での通勤も色々とあったけれど長くなるので割愛し、なんとか会社に到着する。
 だけれども会社に到着しても、やることはひとつだけ。

 雪かき。

 雪かき&雪かき。

 出社困難な状況の人も多く、物流も止まり会社は機能しない。

 やれることは雪かきだけなのだ。

 だが最悪なことに、雪はやまない。尚も降り続ける。
 あまりに多い雪の量により雪を捨てることができる場所がどんどんなくなってゆく。
 地面が出る程に雪かきをしても、しばらくすると見えていたはずの地面が降り続ける雪により白色へと変化している。

 あぁ、もうだめだ。

 ただ心が折れた。

 このエッセイを読んで頂いている方の中には『雪かき』をした事がない人も多くいると思う。

 雪かきをした事の無い人に、雪かきの苦労をどう説明したらよいかは悩ましいところではあるけれど、例えるならば『延々軽めのスクワットをしろ』と言われたようなものだろうか? 大袈裟ではあるけれどかなりキッツイ仕事だと思う。
 スクワット同様、ちょっと油断して間違った姿勢や迂闊な動きをすればすぐに腰痛一直線コースの過酷な労働。

 30分も動けば外気温が0度だろうが汗が余裕で流れる。身体は熱い。だけれども顔は寒い。もうどうしろと。
 それに一度やめると一気に身体が冷え始めるから着替えの無い状態で休憩なんて取ろうにも取れない。終わるまではやめられない。終わるまで終わらない。

 そんな状況で心が折れると、もう雪かきを続けることなどできなはしないのだ。

 結局、会社は臨時休業状態になり歩いて帰宅。

 「もうマヂむり」と、疲れから全てを諦めて早くから眠る。

 そう。ただ全てが夢であることを願って――



 明けて今日。



 もっと積もった。



 「もうマヂむり」


 会社も休んだ。
 まだ雪が降ってる。


 駐車場の白大福が『オレ今1m以上雪を積んでますぜ』状態に増量サービスされていたので、車がつぶれちゃう! と、なんとか雪を下ろす。

 大量の雪で、もう雪を捨てる所がない。
 ついでに愛用してたスコップが折れた。

 スコップと一緒に心も折れて、今、エッセイを書いて現実逃避をしています。

 「もうマヂむり」

 とりあえずこんな状況です。

 他にも雪が多く降っている地域も多いと思いますし、もっと降っている地域の人達からは『まだまだ甘い』と言われてしまいそうですが、とりあえず今、北陸はこんな感じです。

 明日にかけてまだ降るそうなので、明日もきっと動けないのでしょう。
 大袈裟じゃなく今週はずっと動けないかもしれません。
 他の会社勤めの人に話を聞いてみましたが同じような状態も多いようで、これから雪による様々な問題が本格化してきそうです。

 法人に限らず、物流が止まり地方民の足である車も動かせない状況も多いので、買い物が難しい人も多く出てくることでしょうし、そもそも買う物が揃っていない可能性が高い。
 暖房の要である灯油が切れ、エアコンなどに頼ったり、無暖房での生活を余儀なくされる家庭も出てくると思います。
 未だに雪の量が増えているので家屋の倒壊や氷柱つらら。落雪での怪我、除雪中の事故も多くなるかもしれません。


 1m越えの氷柱つららも多いので、本当に屋根の下が怖くて除雪作業にも影響しています。
 足場が雪だらけで動きにくいのに、上で『突き刺さりまっせ』と氷柱が輝いていると、かなりの恐怖です。
 氷柱が落ちてくる時には重い雪も大量に落ちてきそうで、めちゃくちゃ怖い。そして屋根の雪が落ちてきたらエンドレス雪かきになるんじゃないかという恐怖もあり憂鬱が憂鬱を呼ぶ展開真っ最中です。

 はぁ……

 もう……雪はいらん……いらんです……


 以上、現場レポートエッセイでした。 

評価や感想は作者の原動力となります。
読了後の評価にご協力をお願いします。 ⇒評価システムについて

文法・文章評価


物語(ストーリー)評価
※評価するにはログインしてください。
感想を書く場合はログインしてください。
お薦めレビューを書く場合はログインしてください。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ