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元社会科教師の異世界転生記  作者: 給湯温泉
周辺探索編
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2話 見つけた町

正月は恐ろしいものです、

もうやめだ。考えるだけ無駄だろう。

多分、最後に見たのがあの顔だったから、こんな姿(なり)になったんだろ。

まぁでも、いくら考え込んでも仕方がない。

この世界に命がある以上、とりあえずでも生き抜く術が必要になるはずだ。

昨日外をぱっと見た感じ、木しか見当たらなかったのが心配だが。

ここが何処でもいいが、まずは街に行かないとな。

こちらの風習云々に慣れておくべきだろう。

友人の1人や2人出来たなら最高だ。


取り敢えずの計画(プラン)をある程度立てながら、寝起きのままの顔を、洗面台で流していた。

昨日は気付かなかったが、良く見ると水を汲みながらやる、何とも古風な洗面台だった。

家中ロウソクで、電球の1つもないのはこういう事だろう。

まぁそれでも、ここが電線も引かれてない様な、相当な山奥である可能性だってあるんだ。

落胆するにはまだ早い。


寝室のタンス(の様なもの)の中には、誰のか分からない質素な服が、いくらか入っていた。

しかもそれらが、自分のサイズにぴったりなのだから、驚いたもんだ。

多分、あの女神が用意したんだろうとしか考えられない。

デザインは悪くないと思う。

布1枚って理由(わけ)でもないし、派手なドレスでもない。

RPGとかで良く見る初期装備それだった。

傍から見れば、いち庶民の娘にしか見えない。

色々心配事はあるが、それを気にしてちゃ何も出来ない。


「よし、行くか!」


そう自分に言い聞かせて、木製の玄関のドアを力強く開け放った。

思った通り、辺り1面木ばっかしだったが、尻込む程じゃない。

街なんてすぐ見つかるだろう。

軽い気持ちで街探索に出た。



結果、街を見つけるのに5時間弱かかったかも知れない。

迷わない様、側の木に切り傷を付けながら歩き回っての結果だ。

中身おっさんだが、身体は幼女なのだ。

体力もなくて当然。

見つけたのは、街と言うより町だったが、別のを探す気力も体力もない。

役所か何かを早々に見つけねば…。

役所、役所っぽいのは……


「あるじゃ…ん?」


建物に付いてる札には、確かに「役所」の文字が入っているのだが、どう見ても日本語じゃない。

俺の脳内にいつ翻訳機能なんて付いたんだ?

どうせならもっといいのあるだろうよ…。

無いものをねだっても仕方がない。

隣の建物には「ギルド」なる文字が入ったいるが…。

なぁに、心配する程じゃないだろ。

どうせ役所で説明でも受けるはずだ。


「異世界人ってのが通じればだけどな……」


いらぬ心配だといいんだけどなぁ。

そう思いながら、鉄の枠組みの、家のより少し大きめの扉をゆっくりと開け、恐る恐る中へと入った。

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