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元社会科教師の異世界転生記  作者: 給湯温泉
周辺探索編
3/19

1話 あいつの再来?

少し更新遅くなりました。

「やべぇ遅れる!」


今までの習慣のせい(おかげ?)で、(おおよ)そ6時には嫌でも目覚める身体になっている。

職に就いてない以上、そんなものはいらないのだが。


慌てて起きたはいいが、景色がいつもと違う。

教師になって収入が安定するのだから、少しくらいいいだろう、と思いながら、住まいは少し贅沢である。

駅の近くではないが、歩けない距離ではないところにあるマンションに住んでいる。

まぁ、今となっては過去形になるのが寂しい。

それでも、苦ではなかった。

1LDKだった。

20代であった自分には贅沢だっただろうか。

寝室は資料の山がいくつもあったが、リビングはそれなりに整理され、綺麗だったはず。

だが今は、そんな事はどうでもいいのだ。

その住み慣れた風景でなく、質素で木目丸出しの家具や壁しか見当たらない。


(そういや、死んだんだっけ。)


落胆しつつも、取り敢えず転生先の住居であろう家を確認すべく、掛け布団をどけ、ベッドから『飛び降りた』。

周囲の変化に気を取られ続けていたが、ここまで来ると流石に気付く。


「え?なんでこんなにベッドデカいん?」


ベッドが異常にデカかった。

成長は高2で止まったのだが、それでも180cmと少しはあったと思う。

そんな自分の身体の1.5倍程の大きさだった。


「いくらなんでもこれは…」


溜め息を混ぜながらそう呟いた時に、やっと気付いた。

やけに声が高い。

まさかと思いつつ、自分の身体を見下げる。

そこにあったのは、肩幅のしっかりした、もう少しでおじさんと呼べる歳にピッタリのお腹周りの、慣れ親しんだ身体ではなかった。

その身体とはまさに正反対。

少し力を加えれば折れてしまうのではないか、とでも思わせるような細い身体が、眼下にはあった。


予想外の展開の連続に叫びたかったが、どうにか落ち着いた。

なんてったって、教師だったのだ。

初任というわけではない。

部活だって、ちゃんと顧問をやっていた。

中高と続けてきたテニス部ではなく、バスケ部に配属?されていた。

勿論、技術はまったくの素人である。

そのため、部員には「落ち着く事」だけを教えてきた。

そうすれば、判断が早く鋭くなるし、普段の力もだせる。

自分が教えているのだから、やらねばなるまいと思ったが、流石に耐えきれないかも知れない。


「幼女…」


そうつぶやいた。

死んだ時ほどではないが、軽く絶望した。

だが、元の身体じゃないのもある程度は納得できる。

あの暴力幼女が「元の身体はズタボロ」とか言ってたのは、多分これだろう。

しかし、そんな事は今はどうでもいい。

幼女だ。自分の身体が幼女化してたのだ。

あの世界では、触れるだけで人生を棒に振るだけの威力のある代物。

それが今は、自分の身体になっている。


「顔は?顔はどうなっている!?」


さっきまでの自分からは想像もできない、意気揚々とそう呟きながら、寝室であろう部屋をでた。

そこもやはり、木目丸出しのものが多い。

だが今は鏡だ。


「どこだ鏡は!洗面所か?あるのか洗面所なんて!」


落ち着けとか言ってたさっきの自分に言ってやりたい。

興奮を抑えないでどうする。

結果が残念なら、興奮するほど後のショックは大きい。

まさにその如くなるのは、今は知る由もない。


10分程探し回り、ようやく終わりを迎える。

それは、壁際のタンスのようなものの中にあった。


「あった!鏡ぃ!!!!!……は?」


目の前にいたのは、あの憎き暴力幼女神。

はっきり言って、絶望だろう。

2度と見たくない顔が、自分の顔として現れたのだから。

もう、どうでもいい。

これ以上のダメージはこころに悪い。


「寝よ。また明日考えるか。」


こうして、昼前にも関わらず、俺(わたし?)はもう1度眠りにつくことにした。

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