空を掴む
澄みきった青空をのんびり、堂々と漂う白い雲。
その白さが目に眩しくて私は目を細める、私にはない白さが羨ましい。
私はその白さが欲しい
空を眺めていると手を伸ばせば届きそうな錯覚をおこしてしまってすっと手を差しのべる。
その手は空をつかむことはできなくて行き場をなくしてしまうのだ。
嗚呼、なんと虚しいことか。
嗚呼、なんて綺麗なんだろうか。
嗚呼、どうしてこんなにも近くて遠いのか。
手の届かないものほど欲しくなるのは人間の昔ながらの性質なのか。
きっと私の手は永遠に空には届かないだろう。
でも、それでいいと私は思っている。
だって、空は、雲は、星は、月は、手に届かないからこんなにも美しい。
それでもまた私は諦めてはいないようで再び青空に手を伸ばしている。
「届けばいい、届かなくてもいい」
そんな私を空が、雲が、笑った気がした。
初心にかえってみました。