表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

嘔吐き屋

作者: 海原 川崎

 俺の名はジョニー、巷では「嘔吐き屋」なんて呼ばれている。

 え?嘔吐くって何かって?吐き気を催すってことだ。君もあるだろう?食べ過ぎて吐き気を催して「オエッ」と胃液を出す直前の音を出したことが‥。

 その「オエッ」となるのを「嘔吐く」と言うんだ。

 普段は普通に働いているが、休日になると依頼を受けてとある場所に俺は向かう。

 廃棄物、排気ガス、色々な異臭がはびこる秋葉原。そこで俺は仕事をする。

 東京は言うならば大都会、欲望と人間が密集している場所。その都会でひときわ異物感を放っているこの秋葉原…。

 歩いているとブクブクと太った男が謎の笑みを浮かべながら歩いている。

 赤いリュック、汗で胸部の中心が丸く濡れているシャツ、安っぽい靴。そして、鼻にツンと来る異臭。

 「…オェッ。」その男の横を横切る寸前に思わず嘔吐いてしまった。

 それをみて男の笑みは消え失せ逃げるように去っていく。

 これが俺の仕事だ。

 風呂に入らない人間に自覚症状を持たせる為に依頼を受ける、親、友人、家族。色々な人間から依頼を受ける。

 依頼をしてくる者達は、普段我慢していたのであろう。その者の前では絶対に言わないような汚い悪口を言っている。

 どんな言葉かは言わないでおくが、とにかく汚い言葉だ。

 だが、身内以外も依頼をしてくる人間が多く居る。そしてその様な者達が指定する場所がこの秋葉原である。

 秋葉原、オタクの聖地と呼ばれているが正直言って俺は興味がないから歩いている途中にいるメイドのコスプレをした女も、よくわからないBGMもあまり好きにはなれない。

 だが、異臭を放っている人間に自覚させるのは楽しい。

 最低な人間?そうだろう。そんな事はわかっている。

 だが、胃液を出しそうになるほど異臭を放っている人間が居るのも最悪だろう?

 明らかに何日も風呂に入っていない人間も居るのだ。そんな人間に遠慮などしない。

 地球には風呂に入れない人も居る?だから何だ。異臭を放っている人間とは関係ないだろう?

 ここは日本だ。グッズを買う金があるなら風呂に入れ。その一言に尽きるのだ。

 

 日付は変わり今日は東京ビッグサイトで大きなイベントのある日だ。

 そこに行って嘔吐く行為はしない。確かに臭いは最悪、ルールを守らずに徹夜をしている人間も居る。

 だが、そこでそんな行為をしたら一般のお客様に迷惑がかかるだろう。

 俺の標的は異臭を放つ人間。だから俺は例のイベントには行かないのだ。

 じゃあ何をするかって?その日に秋葉原に行くのだ。

 イベントで入手した女性の裸のイラストが描かれた不健全なタオルを羽織る人間。徹夜した後秋葉原に来る人間。一般の人間にまみれて馬鹿と屑が混ざっている。

 これを駆除するのが俺の…、いや俺達の仕事だ。

 不健全な絵が記されている手提げの紙袋。こいつらの駆除をするのは警察の知り合い伊藤君。

 臭い人間は俺と仲間が駆除をする。

 年に数回しかない欲を満たすイベント。俺はさっそくドブの匂いを放っている男の横で嘔吐いた。


コミケは行けなかったので秋葉原に行ったら、物凄い異臭を放つ男の人が居たのでこの話を思いつきました。

感謝はしていません。

あの臭いはコミケより酷いと思いました。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ