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『『ようそこ、ヒメラ木へ!』』

そう言って出迎えてくれたのは他とは変わった形をした…いや、正確にはほかの人とは違う顔のアンドロイドだ。

多くの人は男女の双子が案内してるようだったがこっちは違う。

背の低くて耳の下で髪を二つに束ねてるピンクの服を着たランドセルを背負ってる女の子と対照的に背の高くスラットした体型で髪の長さはお尻よりしたの黒くてベルトと間違うような服を着てるせいで露出の激しいミニスカートの少女のふたりがどうやら私を案内してくれるようだった。

「なんで私にはあなた達なの?」

『あのね、ドドたちにはよくわかんないの。』

『私たちは複製が比較的難しい素粒子媒体でして限られた人たちにしか対応出来ないため対応しきれない人たちをあちらのアンドロイドが対応してるだけなので特に意味が無いと思います。』

「へー…見た目が違うだけじゃないの?」

『ドドたちは機能が違うの!どこが違うかよくわかんないけど』

『ドド、それは前に言ったでしょ』

茶番が長い気がする。早くしてくれ。

『あ、自己紹介するの忘れてました。私はミミと申します。』

長い髪をなびかせながら丁寧におじぎされた。

『ドドはねードドっていうの!』

こいつ、一番苦手なタイプ。

まあなにより名前なんて至極どうでもいいことだ。

『あ、お名前はこれから記入していただくので大丈夫ですよー』

こういう脳天気な考えのやつ嫌いなんだよ。


『それではこの紙に必要事項を記入してください』

『量多いけどドドが応援するから頑張って!』

いちいち腹立つ私も私だな。

「そこのちび、黙れ。高い声で喋るな。イラつく。」

『ふ、ふぇ…:;(∩´﹏`∩);:』

『それは失礼いたしました。穏便に済ませるためにドドにはしばらく静かにしてもらいます』

『ミミお姉ちゃんまで…』

キッっと睨むと渋々黙った。

そこでようやく私は落ち着いて書類に向かうことが出来た。


私はいらない子として生まれた。母親がバカで避妊もせずに16で産んだ。若すぎる出産で障害一つ持たずに生まれてこなかっただけでも奇跡だった。そう思われていた。でも私は感覚性難聴という高音が聞こえにくい難聴だった。そのせいで母親の声は聞こえず、父親の声は聞こえていた。物心ついた頃からそれが原因でぶたれていた。

「なんで私の言葉には反応しないのよ!」

聞こえない

「私は頑張ってんのに!」

聞こえない

「誰のおかげて生きていけてると思ってんの!」

聞こえない

母は幼い頃よく癇癪を起こしていた。

「あんたなんか産まなければよかった」

その言葉は重く放たれ、私にはっきり聞こえた。そして私の鎖になった。

私が小学校に上がる時、母と父は捕まった。

母は私に銀色の鋭い包丁を突きつけた。

「あんたのせいで私の人生むちゃくちゃよ!」

何を言っているかよくわからなかったが包丁を向けられた時私は恐怖とともにやっと鎖から開放されると思った。

気分がいいと一日1個のおにぎり。美味しかったな。

その頃父は薬物の運び屋をやっていたらしく、同じ時期に逮捕。

保護施設や小学校は楽しくもなんともなかった。

周りの人の声は高く、全然聞き取れなかったから。幸い、比較的ゆっくり話してくれたからなんとか話の内容は分かった。その行動を察したのか職員が医者につれて行って今の病名が判明した。

補聴器をつけて学校に行ったら当然のことながらいじめられた。

「やめなよー」

気持ち悪い声でいじめを止める者もいた。所詮口だけ。主犯の彼女にとってはその合図はもっとやれの意味だった。

何度補聴器を壊したことか。

何度助けを求めたことか。

母から助けてくれたからまた助けてくれると思った。


私が馬鹿だった…__


その後悪化したいじめは悪化し、自分を守るために暴力を使った。1度だけ。

そのことで犯罪者の子供ということで忌み嫌われるようになり、その後の学生性すべてにおいてそれがまとわりついた。

壊されるから補聴器は持って行かない。

授業は男の先生のだけ聞き取れる。男の先生の教科だけ点数が取れる。媚売だと言われた。


なんとか入れてもらえた高校では人生を棒に振った。

いわゆるヤンキーとつるみ、いろんなことを覚えた。バイクも酒もタバコも盗みも。

「 って両親捕まったってホント?」

「あー…母親は私を殺しかけて、父親は馬鹿に騙されて薬物の運び屋やって二人ともまだ刑務所だよ」

「は?お前殺されかけたの??」

「うん。まああの時死んでも良かったんだけどね。」

「そんな事言うなってwそこで死んでたら私があんたと出会えなかったじゃんww」


その人生初めての親友は殺された。

犯人はそいつの彼氏だった。麻薬の副作用で刺したらしかった。

プツン…_

「あは♡」

その日の夜、私は赤と血なまぐささに包まれた。さくっという感覚が無性にたまらなくて手が止まらなかった。


その後は何度も人を殺して快楽を得ていた。でも少し飽きてきたところだった。

だからここに来た。なんか変わった才能だったらぼろ儲けして釈放金にでもまた使うつもりだ。


『あの…お名前が書かれてないのですが』

「名前なんてない。戸籍の名前も」

というか私に本当の戸籍なんてない。無理やり作られた戸籍ぐらいしか。

『ではなんと呼ばれていたのでしょうか。今回はあだ名でも構いません』

しかたない。あまり使いたくない名前。

[楼]

『へーこれでろうって読むんだー…サクラって漢字みたいでかわいい!ドド、またひとつ賢くなっちゃった!』

かわいいなんてあるか。そんなこと親友にも言われたことあるがこの言葉に込められた意味はすべて聞こえないという意味の「ろう」なんだから。ふざけるな。私は聞こえる。


『では楼様、こちらのお部屋家どうぞ』

連れてこられたのは鮮やかな緑色で囲まれた部屋。

『こちらで脳波の測定を行いますのでこちらで横になってお待ちください。』

横になった瞬間、私は意識を失った。


『楼様、測定が完了いたしました。』

『理由はきかないでねードド達はそこまでわかんないから。でもミミお姉ちゃんは前に理由は後からついてくるって言ってたよね!』

だから喋るな。ほとんど聞こえないんだよ。


〈発掘結果:殺人の天才、不幸の天才〉


…………………………は?

意味わかんねぇよ。こんなん天才でも何でもねぇじゃねえか!

「ありえない。帰る」

『楼様、私ちゃんと同意書を書いていただく際にちゃんと言いましたよね?料金は後払いだと。どんな天才であろうとちゃんと払ってもらうと。』

「こんなんに金なんて払うか!」

私は部屋を出ようとした。

ガシャッ

しかし体を拘束された。そんなものこの部屋になかったはずだ。あったのはベッドとあいつらだけ…

私は恐る恐る振り向いた。

『もう!逃げちゃダメ!ドド泣いちゃうよ?』

少女のランドセルから気持ち悪い機械が出ててそれは私につながってた。

だんだんきつくなってくる。

こいつ笑顔で何やってんだ?

『同意書の時点でそんなお金ないこと自体調べあげてましたけど。』

「じゃあなんで入れたんだよ」

『何のために後払いにしてると思ってるんですか。万が一該当の天才があったら無料にするためですよ。』

やばい、体がミシミシいってきた。

『お金払えないおねえちゃんはここでその分働いてもらうねー』

なんで背の高い方はこっちに来るんだ…

『まあ途中で…』

その先はよく聞こえなかった。

私は意識を失った。


































「ふーっ…」

最近ないと安心してたら来たな。

ただでさえ人が足りないのに…

『最終決定はあなたに任されてます』

「知ってる。でも今回は良かったよ。使える才能で。彼女にとってもきっと楽しい職場になるよ。ただドドとミミをつける必要がある。ただでさえあの種類は台数が少ないのに…」

『なぜあの2人を?そういうことになったらまた作る必要がありますね』

「めんどくせぇぇえ…作るの誰だと思ってんの?」

『少なくてもあなたではないです。』

「そうだったね。」

『で、なぜです?』

この機種はいらないとこでも探究心があるから困ったもんだ。

「人のトラウマって怖いよねー」

その後問い詰めがしつこかったのは言うまでもない。

必殺☆強制終了


ープツンー


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