露出狂(玉城)
全校集会というのはだるいものだ。
授業を受けなくていいのは楽なのだが、わざわざ体育館に出向かなくてはいけないのが面倒くさい。伝えなければならないことがあるのならプリントかなんかで適当に配布しておけばいいのではないか、と思う。
「今日は何で集められたんだ……」
「玉ちゃん知らないの?」
体育館で整列し、気だるく呟くと、隣にいるヒロミが話しかけてきた。
五十音順で列になるのだが、男女で列がわかれるため、俺の隣にちょうどヒロミがくるのだ。
「ヒロミは何で集められたか知ってるのか?」
「多分、アレの事だと思うよ」
「アレ?」
「最近噂になってる変態の話」
変態ってなんだ。
俺にとっては、変態というのは秋名のことだが、おそらくそれとは関係ない話だろうし……
「やっぱりソレだよな」
「長谷川も知ってるのか?」
俺の後ろにいる長谷川が会話に入ってきた。
「玉ちゃんってどこ住み?」
「中央区」
「あ、区外なのか、そんじゃあ知らねえか」
俺はこの学校とは違う区からこの学校に通っている。
満員電車に揺れる時間が長いのもそれのせいだ。
「なんかこの辺の駅前に出るんだってさ」
「何がだ?」
「露出狂」
露出狂……誰かに自分の裸を見せることに快楽を感じる紛うことなき変態である。こんなのに比べれば秋名なんて赤ちゃんみたいなものだろう。
「……出るのか、露出狂が」
「ヒロミが言いたかったのってこれのことだろ?」
「うん」
ヒロミが首肯する。
俺が知らなかっただけで、どうやら割と有名な話らしい。
露出狂、か……正直、かなり興味がある。
「俺のおふくろも最近早く家に帰れってうるさくてよ」
「まあ、男子は早く帰った方がいいと思うよ」
「じゃあヒロミも早く帰らなくちゃな」
「僕は……」
「ヒロミは女だ」
長谷川達とのこのやりとりもいつものことだ。
ヒロミはスラックスを履いて男子のような恰好をしているが、立派な女子である。なんでスラックスを履いているのかはよくわからない。何か込み入った事情があるのかと思って聞かないでいたのだが、私服は普通に女性物だったので、単なる趣味の可能性もある。
「……で、その露出狂の事なんだが」
話しが脱線してしまったので元に戻した。
「そいつの性別ってわかるか?」
「露出狂の性別? 玉ちゃん何言ってんだ?」
長谷川はキョトンとしている
「玉ちゃん、男の露出狂なんているわけないよ?」
ヒロミも当たり前のように言った。
……やはり!
俺は二人に見えないようにガッツポーズをした。
この世界では、性欲が強くて欲望のままに行動を起こしてしまうのは女性の方だ。つまり、露出狂という変態行為を行うのも一般的には女性なのである。
「……その露出狂はどこの駅前に出るんだ? この高校の駅か?」
「うん? 玉ちゃん、何でそんな露出狂に興味津々なんだ?」
「い、いや、別に……」
長谷川にいぶかしまれて、とっさにしらばっくれた。
これが男の露出狂ならば、俺も適当に流していただろう。しかし、女の露出狂なら話は別だ。
女の露出狂とはすなわち、俺が元いた世界ではAVの中くらいにしかいなかった、男の願望を具現化させたような存在である。健全な男子高生として興味がないわけがない。
ちょっと……いや、かなり見てみたい。
『お前らうるさいぞ、そんなんじゃあいつまで経っても始められないからな』
いつの間にかステージに登壇していた生活指導の三ツ矢がマイクを使って声を張り上げた。
この集会をとっとと終わらせるため、俺達は黙った。
学校帰り、目的の駅まで来ると、俺は電車から降りた。
ここはいつも降りる駅じゃない。俺がいつも降りる駅はさらに数駅先だ。見慣れぬ景色に少しドキドキする。
ひとまず目の前にあったファストフード店に入った。
さて、学校の帰り道になんでこんな駅で途中下車しているかというと、例の露出狂が関係している。
今日の全校集会での三ツ矢の話は長谷川たちの予想通り、露出狂が出没していることへの注意喚起だった。
三ツ矢の話では、俺が途中下車したこの駅付近で、夜に目撃情報が多発しているらしい。
「男子は暗くなったらなるべく近づかないように、あと女子も面白がって見に行かないように」という注意が集会ではなされていた。
もちろん俺がこの駅に降りたのはその露出狂に遭遇するためなので、あえてこの駅に降りて、夜まで時間を潰そうとしているわけだ。
まあ、夜にこの辺りを歩き回っても確実に会えるわけではないのはわかっているが、それでも試してみる価値はある。部活もしてないし、放課後は暇だからな。
俺はコーヒーを注文して窓から外が見える席に座った。どうせあと数時間はこの辺りにいるのだし、苦手なコーヒーでも飲みながらゆっくり待つさ。
その後、たっぷり一時間、ファストフード店で時間を潰し、近くのコンビニで雑誌を立ち読みし、さらに裏路地でゲームセンターを見つけたのでそこにも入った。
上手くできない格闘ゲームやらシューティングゲームやらを適当に触り、UFOキャッチャーで何かのゲームのキャラのぬいぐるみをゲットする。
そんな事をしながらしばらく過ごし、スマホを見ると七時になっていた。ゲームセンターを出れば、辺りは結構暗くなっている。これ以上は待つのも辛い。俺は駅周辺の散策を開始した。
駅の近くといえども、少し裏路地に入れば人はいなくなる。
やはり露出狂というのはこういうところに出るのだろうか? 露出狂の心理などよくわからないが、暗いところに一人でいれば向こうも出てきやすい気がする。
しかし、「裸が見たいから露出狂を探す」というのもあまり他人に言えない行為だと思う。少なくとも知り合いには絶対に知られたくない。
特に仲の良い後輩には……
「玉城先輩?」
聞き慣れた声で呼び止められ、ビクリと止まる。
そしてゆっくりと振り向くと……そこにはTシャツとジーパン、家庭用サンダルを履いた秋名が立っていた。
「やっぱり先輩だ、後姿を見かけてもしやって思ったんですよね」
秋名がサンダルをペタペタと鳴らしながら近づいてくる。
な、なぜ秋名がこんなところに……
俺はかなり焦った。一応、普段は秋名の前では格好つけているつもりなのだ。それなのにまさか「露出狂探し」なんて変態行動している場面を見つかってしまうとは……
「先輩何やってるんですか? こんなところで」
秋名は俺の家を知っているし、ここが最寄駅でない事も知っている。こいつからしてみれば当然の疑問だ。
「……そういうお前こそ、なんでここにいるんだ?」
とにかく、話を逸らすことを試みた。
「私は見回りです」
「なんでお前がそんなことするんだ?」
「ここ私の地元ですし」
「地元? ……ああ、そういえばそうだったな」
そうだ、思い出してみればこの駅から秋名は乗り込んでくるんだった。秋名がここにいることは、俺がここにいることに比べてはるかに自然だ。
「先輩も気を付けてくださいよ、この辺り変態が出没するらしいんで」
「そ、そうか……」
止めろ、秋名、そっちに話を持って行かないでくれ。
俺の願いを裏切るかのように秋名はその変態の話を続けた。
「なんか露出狂がいるらしいんですよね……て、そうか、先輩も今日の集会出てましたよね? なら知ってますよね?」
「あ、ああ……」
俺は背中に冷や汗がつたうのがわかった。自慢じゃないが俺は「話を誤魔化す」のとか「嘘をつくこと」が下手だ。これ以上追及されてボロが出てしまっては終わりである。
「あ、それ『モッモー』じゃないですか?」
「え?」
秋名が唐突に話を変えた。
俺のカバンから顔を出している、ゲームのキャラのようなぬいぐるみを指差しているようで、どうやらそれが気になったらしい。
「こ、これか? さっきゲーセンで取ってきたんだ」
「あー、ゲーセン行ってたんですね」
「そ、そうだ、ゲーセンに行っていたんだ、地元になくてな……」
このぬいぐるみを見て、秋名はうまい具合に勘違いしてくれたようだ。
ゲームセンターに寄っていてよかった。というかUFOキャッチャーをしてよかった。
「先輩、深夜アニメ見るんじゃないですか、前は見ないとか言っていたのに」
「深夜アニメ?」
「……あ、気付かずに取ったパターンですか、何でもないです」
どうやらこのぬいぐるみはゲームのキャラではなく、アニメのキャラのものだったらしい。
「……そのアニメ、いつやってるんだ?」
「え? 金曜の午前1時ですけど」
「今度見てみよう……」
ありがとう、謎のキャラ『モッモー』。お前のおかげで秋名が俺がここにいることを納得してくれた。せめてものお礼にこれから毎週見てやるからな。
「とりあえず先輩、一緒に駅まで帰りましょう」
「道ならわかる、一人で帰れるぞ」
子供じゃないんだから初めて来た場所でも、駅までの順路くらいは覚えている。
「じゃなくて、先輩が一人だから危ないんです」
「……? どういうことだ?」
「だから、ここで露出狂が出るんですってば、先輩が一人だと危ないでしょ?」
「……そういうことか」
冷静に考えてみると、この世界は男が変態に狙われる立場なのだから、「自分から露出狂が見たい」なんて思い立つ男性はかなり少ない、というのが一般常識だろう。
つまり、あんなに焦って弁明しようとしなくても、初めから秋名は俺に対してそういう疑念さえ抱いてなかった可能性もある。
「先輩は女に対してガード緩いですからね~」
秋名がヤレヤレといった感じで俺の横に立つと、
「まあ、でも? 私がいれば大丈夫です、私が先輩を変態から守ってあげますから」
ドヤ顔をこちらに向けた。
さて、安心したところでこういう顔をされると小憎たらしく思うのはなぜなのか。
「ほう、誰が誰を守るって?」
「だから私が先輩をっ!?」
俺は秋名の後ろに回り込むと、秋名の脇の下に手をつっこんで持ち上げた。
軽い。チビでスレンダーなせいもあるだろうが、やはり「女の子の軽さ」だと思う。
我ながら中々大胆な事をしている気がする。元の世界でこんなことをしでかせばセクハラものだろう。でもこの世界なら許される。これも役得みたいなものだな。
「ちょっ!? ちょっと何するんですか!?」
「お前が生意気な事をいうからだ」
こいつには今一度、文字通りの意味で力関係を教えてやらねばならないだろう。
俺が秋名を守ることはあっても、その逆はありえない。
何だったらこのまま秋名を抱えて駅までいってやってもいいくらいだ。
「ふ、ふおぉぉ……」
「ふん、わかったか、秋名?」
地に足がつかなくて不安になったのだろう。秋名がジタバタとしている。
「わかりました! 先輩、すごいです!」
「わかればいい」
俺は秋名を下した。
「……え? 止めちゃうんですか?」
秋名は残念そうにこちらを見る。
なんだこいつ、怖がっていたんじゃなくて楽しんでいたのか。
「俺はアトラクションじゃない、ほら駅まで行くぞ、送ってやる」
「だから、送ってあげるのは私なんですってば」
『露出狂に遭遇する』という目的は果たせなかったが、それでもいいだろう。というか、なんかもうどうでもよくなった。
このまま駅に向かおうとしたその時、ふと薄暗い横道を見ると人影があった。
道の真ん中で仁王立ちしている。
なんであんなところにつっ立っているんだ……?
「先輩、どうしたんですか?」
「いや……」
俺が立ち止ったことに秋名は不審に思ったらしい。秋名が俺の向いてる方を見ようとした。
それを俺自身の身体を壁にして防ぐ。
あの人影の人物、帽子を目深にかぶって鼻から上が見えず、暑くなってきたこの時期になぜかダッフルコートを着ている。
体格から判断するに男だろうか? なんにせよ怪しすぎる。不審者と判断しても差し支えないだろう。
いざという時の為になるべく秋名を遠ざけなければならない。
その不審者に動きがあった。
ダッフルコートの前ボタンを外し始めたのだ。
待て、その動きは……
「……!」
「せんぱーい、何かあるんですかー?」
俺の横から、なんとかして俺の見ているものを見ようとする秋名を、後ろ手で抑え込む。
「……秋名」
「はい?」
「この世界だと露出狂ってのは女がやるもんじゃないのか?」
「この世界? ……いや、まあ普通は女じゃないですかね、男が露出狂なんてそんなのAVの中だけしか……あ、私は別にそういうエッチなビデオを見たことなんかなくて咲ちゃんが……」
秋名が何か言っているがそれどころじゃない。
俺の目には、非常に不愉快な……そしてこの世界では不可解な……光景が映っている。
すなわち、裸体の『男』だ。
なんてことはない、例の噂の露出狂とは男の露出狂だったらしい。
俺は今、腹の底からふつふつと怒りが湧きだしていた。
こんなものを見るためにわざわざ途中下車して時間を潰していたのかという自分に対しての怒り、そして何よりも調子に乗って全裸のまま腰を振りだした目の前の男に対しての怒りだ。
「せ、先輩? まさか、そこにいるんですか? 露出狂が? 男の?」
「……」
どうやら秋名が察したらしく騒ぎ始めた。しかし、今、秋名に構っている暇はない。大変ムカつくが、俺は目の前の露出狂から目を離せないのだ。目を離したすきに逃げられるかもしれない。
「ちょ、ちょっと見せてもらえませんかね! 私、町内会の見回りなので一応確認しなくちゃいけないんですよ! 本当に! 下心とか一切ないですから!」
「お前は見るな、そしてそこにいろ」
秋名にあんな汚いものを見せるわけにはいかない。
「先輩? なんか、いつもより声にドスが効いてる気がしますけど……」
この怒りをあの変態野郎にぶつけてもいいものだろうか。
露出狂は犯罪。俺は犯罪者を現行犯逮捕するだけだ。多少なり乱暴な事になるかもしれないが、怪我さえさせなければ大丈夫だろう。
露出狂に向けて、俺はゆっくりと歩き出した。
それはまるで狩りをする時のチーターのように、間合いをはかるように少しづつ距離を詰める。
露出狂が腰を振るのを止めて、ダッフルコートの前を閉じた。
それが互いに理解していたヨーイドンの合図だ。
俺と露出狂は同時に走った。
露出狂は振り向いて後ろに、俺はそれを追って。
「待てコラァ!」
「せ、せんぱーい……」
秋名の声が後ろから聞こえるが返事をしている暇などない。俺はなんとしてもあの露出狂をひっとらえなければならないのだ。
日が完全に沈んだ街中で、鬼ごっこが始まってしまった。
「はあ、はあ、はあ……どこに行ったんだ、あの野郎……」
鬼ごっこは三つ目の角を曲がったところで終わった。
俺はあの変態を見失ってしまったのだ。
考えられる原因は二つ。
一つ目は俺にこの辺りの土地勘がなかったことだ。見知らぬ土地を走るのがこれほど大変だとは思わなかった。
二つ目はあの露出狂の運動能力が俺を上回っていたことだ。大変腹立たしいが、あの露出狂の脚力は大したものだった。あまり思い出したくはないが、あの裸体は割と筋肉質だった気がする。
俺は変態に負けてしまったことへの情けなさと、全力疾走したことへの疲れから、道端で屈んで休んだ。
「……体力つけるか」
時々ジョギングなどをして鍛えているつもりだったが、それでは足りなかった。もっと本格的に運動をしなくてはならないだろう。
ひとまず、秋名に変態を見失ってしまったことを報告して、今日はもう帰ろう。
スマホを取り出し、秋名に電話をする。
数回の着信音の後、秋名が出た。
『もしもし……』
「秋名、すまん、あの変態野郎を取り逃がした、合流したいんだが、あの場所にいるか?」
『いえ、ちょっと……移動してますかね』
「そうか、どこにいる?」
『えっとですねー……あいたたた……』
「……どうした?」
電話越しの秋名の声がおかしい。なんだか苦しそうだ。
『いや、ちょっと足の裏を擦りむいちゃいまして……』
「なんでだ?」
足の裏なんて擦り剥こうと思ってもなかなかできるものじゃない。
『こっちにも露出狂が出たんですよ』
「なんだと!?」
どうやら見失った露出狂は秋名のもとに舞い戻り、公然わいせつ行為を働いたようだ。
許せん!
『それで追いかけたんですけど、その時にサンダル飛ばしちゃって……』
確か、秋名は家庭用のサンダルを履いていた。
あんなもので走れるわけはないし、走ったとしても転ぶなりして怪我するのは当たり前だ。
「……すぐにそっちに行く、今どこにいる?」
『ゲームセンターの近く……ですね』
「すぐに行くからな、動くなよ」
『は、はい……』
休んでいる場合ではない。秋名が怪我をしてしまった。
俺は残っている体力を振り絞ってゲームセンターに向かって走った。
ゲームセンターの前まで来ると、地面に座っている秋名をすぐに発見できた。
「秋名」
「あ、先輩」
「足大丈夫か?」
「うーん、大丈夫じゃないかもですね~」
そうだ、何を聞いているんだ俺は。大丈夫なわけがない。足の裏を擦り剥いたということは、歩けなくなってしまったということじゃないか。
「……というわけでちょっと肩を……」
「見せてみろ」
「え?」
座っている秋名の足の裏を確認する。
ゲームセンターの照明に照らすと、皮膚が少し剥けて赤くなってしまっていた。これは確かに痛いだろう。
俺がちゃんと露出狂を捕まえられていれば秋名はこんなことにならなかった。秋名を守る立場だと言っておきながらこの体たらくか。自分がこれほど情けないやつだとは思わなかった。
「……先輩? 顔恐いですよ?」
「もとからだ」
「いや、それとは別に恐いというかですね……」
「歩くのは無理そうか?」
「一人で歩くのは無理そうですね~、ここはひとまず先輩の協力を得てですね、こう抱きつく感じで肩を貸していただけると……」
俺は秋名の後ろを向いて片膝を立てた。
「……先輩? それは……」
「乗れ」
「え、いや、乗れって……え?」
「おんぶしてお前を家まで運ぶ、乗れ」
「えーー!? マ、マジですか?」
これが俺にできるせめてもの償いだ。
「嫌か? それならタクシーを呼ぶ」
「い、嫌なわけないじゃないですか! というか、タクシーを呼ぶようなすごい怪我じゃないですよ!」
「タクシーか俺におぶられるか、どっちだ?」
「お、おんぶでお願いします!」
秋名が俺の背中に乗っかった。
「落ちないようにしろよ」
「は、はい……あの、腕とか首に回してオッケーですか?」
「ああ、大丈夫だ」
秋名の腕が俺の首に回される。
俺は両腕を秋名の膝の裏にまわし、立ち上がった。
「ふおぉぉー……!」
秋名が俺の耳元で感嘆の声を上げている。俺が持ち上げてやった時と同じようなリアクションだ。いや気持ちさらに盛り上がっているように思える。
今ばかりはお前のアトラクションになってやろう。存分に楽しんでくれ。
「秋名、お前の家がわからない、案内してくれ」
「え? あ、はい! 了解です! とりあえず駅から少し離れるんですけど」
「わかった、こっちだな?」
テンション爆上がりの秋名に案内され、俺は秋名の家に向かった。