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水着選び(秋名)

私の目の前にビキニを着た女がいる。


「……いや、これはない」


目の前にいる女が恥ずかしそうに自身の腕で、自身の身体を隠すように抱きしめた。


「先輩め~、こういうことをするから~」


目の前の女が恨みがましそうにつぶやく。

……つまりは、鏡に映った私だ。


玉城先輩のビキニパンツ姿が見たいあまり取引に応じてしまったが、実際に着てみると明らかに自分に似合っていないのがわかる。先輩は似合ってるとかなんとか言っていたが、鏡に映る自分はどう見ても露出狂の変態だ。


「……プールの約束を無しに……は出来ないよね……」


デパートで会計を済ませた後、早速、明日プールの約束をしてしまった。いきなり積極的になった先輩がとんとん拍子に話を進めたのだ。

プールに行けば私の目的も達成できるが、これでは痛み分けである。


「……持ってくるのを忘れたという事にして普通の水着を着ていくのは……ダメだよね、多分……」


そんな事をすればきっと先輩は怒るだろう。先輩は滅多に怒らないが、約束を破った時はその限りではない。

先輩が怒る時は、怒鳴るとか叩くとか行動じゃなくて態度で示す。具体的にいうとずっとむっつりした顔で黙る。こうなると本当に厄介で、ちょっとやそっとのことでは機嫌を直してくれない。


しかもこれは建前上先輩からのプレゼントだ。着なかったら先輩を怒らせるどころか嫌われる可能性すらある。

もしかして先輩は私に断れない理由を作るためにあえてこの水着を私にプレゼントしたのではないか……?


「……やるしかないか」


腹をくくった。もはやこれを着る運命は避けられない。

ならば、被害を最小限に抑える方向で動こう。

一先ず、知り合いに顔を見られるのが一番最悪だから、それをなんとかしなくては……


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