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はじまり
4年前
12歳の高坂まどか(こうさかまどか)は急いで部屋に入った。
『お母さん!お母さん!お母さん!』
『わっ!まどか何?』
キッチンにいた母が驚いた。
『お姉ちゃん、うるさい。』
6歳の弟の直輝が言った。横には1歳になる妹の汐莉が口の周りをベタベタにしながらプリンを食べていた。
『お母さん!私!魔法使いになる!』
まどかが叫んだ。
『何?まどか!手紙来たの!?』
母が尋ねた。
『うん!これ見て!見て!見て!』
まどかが分厚い赤い封筒を母に見せた。母が受け取り、封を開け、中の手紙を見た。
『……、良かったわ。歩弥の時より、届くのが遅かったから、もしかしてって思ってたけど、本当に良かったわ。』
母が安堵した。16歳の姉の歩弥はアンドロメダ魔法学校の4年生である。まどかにはアンドロメダ学校の入学を許可する手紙がきた。
『お父さんとも相談して、必要なものを買いに行きましょ。』
『うん!』