表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

リンカーン

それは実録というには些か現実味に狂った話になる


その始めの事件というには些か奇妙な日常の一個コマは

九月の日曜日に起こる


僕は雨降るコンクリートを進んでいた

別段やることもなかったが

それだとしても何もないわけではない

それは誰だって同じだ

死ぬのにも訳はあるし

死なずして死ぬのにもそれなりの訳はあるはずだ

カンバニズムにも訳があり

そして人間にのみ

カンバニズムの悪夢があるように

この世の全てには嫌でも訳がついて回る

僕はその訳に振り回されないように気をつけながら

それでも訳の中を進んでいた


どこまでも灰色に見える空間の中で僕はある一辺倒な赤を見た

それは別段視覚的なことではなく感覚的にそう思ったに過ぎないのかもしれないが

僕は迷いながらもその赤と感じた方へと足を踏み入れた


コンクリートに挟まれたビルとビルの暗い間

その中に鉄の檻が保位置されていた

果たして誰が置いたのかは知らないが

しかし僕の興味はそれを誰が置いたではなく

その中に先ほどからクンクン言っている・・いやないている何かに当てられていた

何だろう

僕の心はその興味に直進していた


僕はその檻の中に目を入れるなんて言う表現的には

無いのだろうが、やろうとしたが

その落ちの内側から段ボールのようなもので中が見えないようになってはいるが

果たしてそれは犬なのか何なのかの

プライバシーを守るものなのか

それともただ単に温度を上げるような物に過ぎないのか

どちらにしても僕はその何か鳴いている物が

入っている檻の中をいくら考えたところで見れないと言う結論を出していたので

僕はその檻の入り口に手をかけた

しかし僕はそこで改めて謎な現象に見が行く

果たしてこの檻の中に段ボールなんて物が入るのだろうか

一見して縦横20センチ以上

30センチ以下のその入り口または出口にそのそれ以上の段ボールを入れられるのか

僕はその檻に、いつか見たいと思っている半ば妄想の中のボトルシップを思い描く

しかしそれをどうこう考えるよりはいささか中の生きているであろう

犬のことが心配になる

・・・・果たして心配なのだろうか

ただの興味心なのではないか

しかし物事全ては興味心

いや、興味心と言うがしかし

物事の始まりは全て興味心だといって良いはずだ

中には例外的にただ何となくぶつかっただけという物もあるかもしれないが、しかしぶつかっても何とも思わない事態はそうなかなかないだろう

もし普通にそう言う考えならそれはかなり変わっていると言える

単純に、自分に感心がない人間だからだ

それはすなわち、自分に良いことではないことを遂行しているまれな人間とも言える

しかしどうだろう、今僕は犬が居るであろう檻の前にいる

そして中でクンクン先ほどから鳴いている出あろう犬を想像して僕はその檻を開けようとしていた

・・・・恋心という物もこんな感じでは無かろうか

完全なる興味心

中身が知りたい

そのあとはなし崩し

・・・・どちらにしても今中にいる物は

開けたらただの黒いラジオがクンクン言っていたなんて事はないと思う

・・・・多分絶対的観測と勘でない

少なくともそんな傾向は僕には見られない

それこそ福引きが三回連続でゴールドだったり

茶柱が立ったり

そんな類のことは少なくともないし感じられ無い

そして言うなればその類のことは僕としては否定的ではあるがしかし

信じていないわけではない

しかし信じたいからこそ否定的にならざる終えないのかもしれない

・・・・どちらにせよ、僕は怪談好きでありまた

今犬の鳴き声がする檻の前で

その檻をビルの暗がりで開けようとしていた

ちなみに秋だというのにいやになま暖かい夜ではあるが

しかしその雨は次第に寒さを増して

その白っぽい段ボールを溶かすように湿らせて変形させていた


僕はそれに近づいた

近づいてからと言うものどうも乗り気がしなくなってきた

もし本当にラジオが居たら

もしかしたら犬なんかじゃないんではないか

・・・・いやまて、これは新手のドッキリなのではないか

中では見たこともない人間またはロボットが用意されていて

開けたとたん、特殊メイクをした人間だか

特殊加工されたロボットが飛び出してくるのではないか

いやいやだいたい、これが捨てられた子犬だという確証はどこにもない

たまたまここに置かれているだけなんて言うこともありえ

そうかんがえるとかってに中を開けてしまうのははばかられる


しかしだ、このままにしていけば次第に濡れて重くなりしたにしたに

くぼみ始めているこの巨大な段ボールに、押しつぶされてしまわないとも限らないではないか

・・・・・

聞いたところそれは大人の犬ではなく子供の犬に感じるが

しかし果たして犬など一度も飼ったこともなければ

好きでも何ともない僕に分かるのかと聞かれれば

それは何とも分からないものであり

しかたなく僕はただ

その檻をただ僕は雨振る中、たたずんでんでで見ていたのだが

それでは些か情に欠ける

しかし生半可に助けて殺すよりかは見ない方が良いのかも知れないが

しかしそのときの僕はなぜかそれを開ける決心をしていた

なぜそんな決心をしていたのかと聞くならば

そのときの僕に聞いてほしいが

・・・・僕には少なくとも聞かないでほしい

世の中には一秒前の自分は全くの別人だとか

一秒前に世界はできた

なんて言う空想論がある

しかし残念なことに今現在でそれを否定することはできない

それは人間の魂でもある

怪談話を解明するくらいに無理であり夢が無くそしてまた理論に欠ける話なのだ

とにかく僕が誰に操られようが変わらないことが一つだけそこにはある

それはそのとき僕は檻の入り口に手をかけて

そしてその檻の入り口を持ち上げたのだ

果たしてこの後僕が何を見たかと言えば

それは僕が生では見たことが無いものであり

またそれは猫でもロボットでもなく

そしてまた人なんて物でもない

それは犬と呼ばれる物だったが

それが暗かったせいと

後あまりに僕がビビりすぎたせいで一瞬何かは分からなかったが

しかし開けた瞬間に飛び出してきたそれを見て僕は

「バッバイオハザード・・・またはモンスター」と思ったが実際

それは毛の一本も生えていない犬であった

そんな犬が居ると聞いたことがある

確か、ノン・ヘアー犬種だとか何とか

さらにそこから詳しいことは覚えていないが

しかし今の僕にしてみれば特にそのようなことに興味はなく

あるとしてもそれが犬という大前提に阻まれて、正直犬だろ

としか思わないのではあるが

しかし実際それが目の前に現れているこの現実に考えを馳せたとき

果たして何で毛がないのかどうこうよりも

こいつは矢っ張り誰かの飼い犬ではないのだろうかと考えなければならず

そうなるとこうやって無闇に顔を嘗められている場合ではない

もし強面の飼い主が来たらどう言い訳をすれば良いのだろう

(この子が泣いていたので可愛そうで)もしかしたらそれが縁で仲良くなれるかも知れない、いわゆる悪縁という形で

・・・・しかし世の中はそんな単純構造以上に単純で粗悪だ

だからこそ世は恐ろしい

そんな物が成立している時点でどんな自然の広野よりも危険な地帯と化している

僕はそれでは足早に退散しようかと考えていたときだった

彼、すなわちその病気ではないく、元々そう言う品種の彼

すなわち犬君の脇腹になにやら斑点のような模様を発見した

それはすなわちそう言う模様の遺伝子かとも考えたがいくら何でも複雑すぎる

それはこの暗闇のせいで今まで見えなかったが

しかし改めてみるときになる

僕はそれを抱き上げてそのわき腹がよく見える位置に顔を近づけた

近づけようとするのだが犬が暴れてその模様を見ることができないが

ようやく何度も爪に引っかかれながらそいつの何かをみようとしたとき

「おいそこで何やっている」

それは紛れもない酔っぱらいだった

顔は赤いし頭にネクタイを巻いて

さらには二人で歌でも歌いそうに腕を組んでいる

それがこちらを見てそんなことを言った

何か悪寒がする

背を冷たい物が駆け上がった

僕はそれを小脇に抱えて逃げようとした

したがそれが暴れて僕よりも先に路地裏に走り去った

「おっおい」

僕はその闇にその声をとどろかせえることもなく

ただ単にその猥雑とした暗闇を駆けだした

辺りに散らばる邪魔なごみが足下でぶつかり踏み散らかしていく

何ともバランスを取りにくいことこの上ないが

僕はその夜目にようやく慣れてきた中を走る

後ろからは先ほどからサイレント銃だかなんだか知らないが

かなりおとが小さめな物が壁に撃沈して音を立てる

矢っ張り良くないような人間だったか

僕はどうこうもいやな物を拾ってしまうのか

僕は先ほどからものすごい勢いで後ろから追って来るであろう二人+

その二人が発射しているらしき音の小さな球

に当たらないことを切実に願いながら

闇の中を先に走る

わき腹に

「リンカーン」と言う良く分からない・・・人の名前か何かかと思うような物が書かれた犬を追っていた

いくらこんな場所でも流石と言うか

その犬のスピードはすさまじく

僕は実に感心しながら追いつこうとしていた

「おまえ何なんだ」

僕は誰にも聞こえることはないだろう心の声をやつにぶつけたが

やはり返答はなく

ただ「ワッアウウン」

とま抜けに鳴くだけで奴らをおびき寄せる

「黙ってろ」

そう言う声が奴らをおびき寄せるだろうが

しかし今の俺はそれをどうこう考えている暇はない

とにかく走ることを一番に考え自分のアジトへと駆けだした

「あああああなんでこうなる」

そう思い一方でまたしても縦断が脇の壁に音を立てて砕いた

「・・・・・・・」

僕はさらにその路地を駆けるが途中いきなり犬が僕の手を噛んだ

「っう」

その瞬間それは僕の手から逃れて地面に着地すると反対方向に走っていった

「おっおい」

僕はそれを追うことは無理だった

なぜなら犬は男たちの手に渡り

そして銃弾を僕に向けて男が引き金を引くことにより発射されたのであるからにして、僕は倒れてしまったのだ


「あんた馬鹿ね」

「・・・・うるさい」

「しかし何なのいきなり撃たれるって、なんかしたんじゃない」

「・・・・犬が」

「盗んだんだ」

「・・・いや捨て犬だと思ったから」

「盗んだんじゃない」

「・・・いやしかし俺は盗んでない」

「盗んだんでしょあんたが気が付かなかっただけでさ」

「しかし俺は盗んでいないししかしそれにしたって撃つなんておかしすぎるだろ」

「すごく高級な愛犬だったんじゃない」

「しかし汚い路地裏に放置してあった」

「あんたの目は節穴だから・・・間違えて置いてあっただけの物を」

「・・・いやあれは置いてあったとか言うものではなくてこう」

「・・・言い訳でしょ」

「いや言い訳じゃないんだって」

「そうかしら」

「そうなんだって・・・・」

「どうしたの」

「そう言えば毛がなかった」

「そんな品種いるの」

「おまえ犬嫌いだったっけ」

「うーーん、なんて言うか嫌いではないけど生き物の全般好きではない」

「・・・・・猫とか」

「汚れるでしょ、後めんどくさい」

「結婚できないぞ」

「大きなお世話です」

「さて行くか」

「ちょっと待ちなさい」

「なんだ、なんかくれるのか」

「・・・・何で手を出すんだ」

「何が手を出すんだですか、早く治療費出しなさい、最近付けだとかいってかなりたまってんのよ、あんた今度の仕事で・・」

「悪い次なんかあったらそれ全てお前にやるから」

「そんな無いようなこと信用できるわけ無いでしょうよ」

「まあそこは長年の」

「先月会ったばっかりだけど」

「・・・・そこを何とか」

「・・・・心臓の一個置いてきましょうか」

「血も涙もないのかよ」

「ええ、ロボットに血も涙もございませんが」

「悪い冗談はよせ」

「・・・とにかく早く出しなさい」


かくして僕は今までにためた切手を形に何とかあの女から逃げることに成功した

果たして自宅まで付いてくるとはなんて言うやつだ

僕はしかたなく部屋の中でたばこを吹かした

わずかに煙が天井に辺りながら奥に流れる

しかしながら汚い部屋だ

何もない

あるとすればベッドとわずかな食器のみ

全く持って汚い

何がそう思わせるのか

僕はそう思った


「ご主人」

それは僕が残りの人生について書いてある本を横にテレビを見ていたときだった

自宅には一番不釣り合いな人工AIがいきなり話し始めた

全く持ってこんな部屋にあって良いもんじゃない

しかし言うなればこれがなければ仕事ができないのであるから仕方がない

「仕事か」

「いえ、そろそろお金がないとここを出なくてはならないので」

「ならないのでなんだ」

「アルバイト雑誌を買って参りました」

「そんなもん買ってくる暇があったら仕事探してこい仕事、あああ勿体ない、そんな金があるんなら」

「フリー雑誌です」

「なんだそれ」

「ただです」

「お前さっき買ってきたって」

「家だから電脳空間では何事も買うと言う手続きになるんです

それに単純にあのせかいに潜るだけでも実質お金はかかるので

そうなるとこの雑誌は実質0、24円です」

「・・・もう良いから黙れ」

「黙りたくなくてもすぐに電気料払えなくなって私は」

「それならそうさせていただく」

「・・・・・・・・・死にますよ」

「お前が死んでから仕事する」

「・・・言い訳はやめて仕事して下さい」

「お前が仕事を探さないからだろ」

「あなたの仕事の範囲が夢見すぎ何です」

「何だと」

「何ですかやりますか」

彼即ち人工知能AI基地顔君は実に邪魔ではあるが

いや邪魔なのだが

ニートと呼ばれる職に就いていない人間に無料配布される

物であり

また、彼らによって行く人かはその職にあり就けるらしいが

僕のような筋金入りのニートは

どうもこうも、そんな簡単には無理なのである

と言うか会話が無理なのである

だいたい会話って何・・ってなるのである

かくして数10件のアルバイトを無理矢理始めのうちこそやってはいたが

しかしどうもみんな自分のことを敵視しているような気がして

どうもぬるま湯の中でおぼれている気がして

どうもみんな自分より馬鹿な癖して頭が良いような気がして

かくして僕は今に至る

「もう好きなアイドルに会いに行けませんよ」

「そんな物を好きになった覚えはない」

「覚えはないっていろんな女性サイトを夜な夜なさまよい歩いているでは・・・・」

「それは違う」

「どう違うんですか」

「・・・お前わざとか」

「はて何のことでしょう」

「・・・・・壊すぞ」

「弁償されますぞ」

「・・・・・・」

僕はこの不毛なやりとりをやめることにした

始めこそ美少女の声を流せるとわかりそれに変更したが

したが良いが中身が中身なので

それこそ美少女の皮を被った変態老人の如く

いや言っている意味が問題ではない

何かむなしくなったのだ

しかし今の声だから良いのではない

今の声でようたくマイナスからわずかにマイナスにならないかなるくらいのマイナスに変更できたのだ

「ねーーこたえてくださいよーー」

「答える義務はないしそんな義務教育を受けた覚えはない」

全く持って教育を繕否定したようなことをいって僕はたばこをく揺らせる

「その電子煙草だってただじゃないんですからね」

「うるーーーし」

「なにが漆ですか」

「ちがう、うるーーーし、だ」

「同じじゃないですか、言葉に意味を持たせられない人はそのうち言葉の権利を剥奪して貰えばいいのです」

「・・・・・・・・・コワ」

「なにが怖いのですか、今の人の30パーセントは脳内アプリを起動できるのです、何時その脳内にウイルスが」

「なにをいってやがる、それだって別に体を機械化したわけではなく

脳内の電波を変えて映像を見せているだけに過ぎない、お前等とは物が違うんだよ」

「何か本質が見えていないようですが、私はいつでもあなた方が機械と同じようになってもおかしくはないと、そうSF小説に書いてあったことをあなたに伝えるべく巷説しているのだからシッカリ聞きなさい」

「黙って寝てろ、シャァアアアアアアアアアアアアアアアアト、ダウン」

僕は赤い点滅ボタンを押す真似をした

こいつはそうするといつも気絶する

面白くてやっているわけではないが

最近よく気絶するようになってきたように思う

別段面白くてやっているわけではない

うるさいからやっているわけだが

簡単に気絶する姿は

実に、実に面白い

別に面白いから・・


僕は家にいるのが嫌になって外に出ることにした

しかし外に出たからといって何か面白いことがあるわけでもない

嫌実際には何か変わるわけではないのだ

僕は雨の中を歩いていた

久しぶりに病院に一ヶ月も行っていないと思ったらこのざまだ

幸い一時間再生法によって、銃弾で撃たれたくらいの傷なれば傷跡が残らないほどには再生は可能だ

しかしだからといって病院費がなくなるわけでもなしに

いや、だいたいよく考えてみれば

その驚くべき再生法が確立されてからと言うもの

世界中の医療はほとんどの患者を助けることに成功すると同時に

なぜか世界中で年々犯罪が残酷かし始めた

それは心臓を突いてもクローンで記憶までよみがえる人々

少しでもその細胞さえあればそれが可能になったせいなのか

その犯罪は過激を極めた

なんと言っても、一万円あれば人一人作ることが出来ることが可能なのだ

そんなことになればほとんどの銀行強盗は消え

人々の危険意識は低迷する

そして残忍な恐怖により金を奪う輩

その感情を一時的になくす薬を繁栄させえる奴

だいたい人間など始めから肉の塊でしかなかったと言い出す宗教

もう様々な人間の価値観がごちゃ混ぜに低落して行っていた

そんな中で僕はと言えばそう言う輩から逃げるのを助けてお金をもらう仕事に就きたいと思ってはいたが

しかし正規の中に紛れるにも

学もないので面接には落とされ

かくして何とかは行ってみてもそりが合わず・・無理で

結果的に一人・・・あのロボットをいれれば二人になるが

基本一人で行動しているし

だいたいあいつは家にいてろくでもない仕事ばかり持ってきて騒いでいる

まさにおばさん要因であり

全くの不要要素であり

しゃべり相手にかろうじて成れる低脳AIである

僕は傘も差さずに四時になる朝の町を歩く

しかし度重なる排気ガスやらなんやらでこのまちで晴れるなんて物はなく

今だって日の光どころか星すら見えず

真っ暗な中をネオンがわずかに光っている

それを頼りってわけには行かなく頼りにあるく

年代的にはまだ酒は飲めない

しかし時代的に今の時代

どこの酒場に行ってもけんこうしこうだか知らないが

まっずい、黒いドロドロしたようなオイルを飲むんだからなにが楽しいか知れたものじゃない

僕は派手なネオンを渡り歩く夜のがのように、それを渡り歩く

別に何かやりたい目的があるわけではなくはない

この時間帯が一番犯罪が多い

それはなぜだかは知らないが

しかし多いのだ


さてもう一回りしたら帰るか

そんなことを考えながら完全に昼夜逆転している僕は

眠ることを第一に考えながら歩いた

「そこのお兄さん」

僕を呼ぶ時点でずぶの素人かまたは昨日いや今現在だと今日始めた人間と思われる

なんと言っても僕はまだ未成年なのであるからにして

ここの物は誰も呼び声をかけない

それどころか一回襲われそうになっている女を助けてから何かとお菓子なんかを貰う間柄になってしまったことは実に僕自身の不注意が呼ぶところである

つまりはどういうことかというと

そんなお菓子なんて貰うハードもボイルドもないからだ

・・・・そんなこと行っているとまたお菓子なんて貰うおこちゃまに思われそうで僕はすぐさま引き返すことにした

「すいませんぼくはまだ未成年なので」

「あらそんな時間にであるくのは、悪い子ね」

「あなたは新入りですか」

「ええ、ところで坊や、「リンカーン」って知ってる」

そいつは僕の耳元で「リンカーン」なんて言いやがった

(リンカーン)・・・どこかで聞いたことが

そこで僕が何やら反応を示したとたん

「ビンゴ」

女はそう言って僕の頭めがけてその高い・・いやながい足を振り下げた

僕は危うく脳天直下にそれを回されかね無かったので

急いで後ろに飛んだ

「そんなに逃げなくても良いのに」

女は顔色一つ変えずに

それどころか笑ってそんなことを言った

実に楽しそうだが僕は依然として楽しくはない

「あなたは何なのだ」

私はそう奴に聞いた

「・・私・・・私はブランデェー」

「不覧で・・・・なんて読むんですか」

「・・・カタカナよかたかな」

女はそう言ってその鋭いどころかなにやらとがった物が・・・ピックのような物が飛び出しているもので僕の身体に穴をあけようと蹴ってくる

「・・・あなた髪の色染めてありますよね」

別段日本人だからとかで外国の名前を付けない人間は少ない

それどころか自分で作った文字さえもその承認かになっているのでもはや分別がない

「私は酒・・・飲まれた瞬間あの世行き」

「それじゃあ僕はまだいけませんね未成年何で」

そう言って近くに置いてあった酒のケースを奴に投げた

そしてそのまま逃亡をたくらむと見せかけて

逃亡した

奴が追ってこようとした瞬間いきなりブレーキをかけて向きを反対にして

そのまま奴の方向に体当たりするかのように疾走した

奴は一瞬にして身構えようとしたがハイヒールという実に不安定な物のせいで

そのみをすごいことに立て直すも、後ろにその面積面の少なさとその素材の堅さから引きずられる

僕はその隙をついて短距離層の如く駆けだした

「お前は何もんなんだ」

そう言おうとしたが危ないような気がして僕は曲がり角をもの凄いスピードで曲がると夜からさめそうな闇を疾走させた

そんなとき僕は前方になにやら動く物を発見した

しかしそれはぶつかった瞬間に気が付いたことにより

僕はそれを思いっきりけっ飛ばしていた

幸いそれは人ではなかったようだがしかし

今の時代、時と場合によれば人よりもペットのほうが命が重いときがある

僕はけっ飛ばして鳴いた物を探して掴もうとしたときに鈍い痛みを感じた

それは夜の始まりの時刻に感じた痛みによく似ていた

そして開けない曇り空のせいで中々開かない朝に変わって、夜がその空気を振るわせていた

「お前何でここにいるんだ」

それはあの毛のない犬だった


無かった一章に替わって突如出来た第二章のような物


世の中には読むべき本は百冊あるという

それが多いのか知らないし、字が読めない僕からしてみれば必要あることだとは到底思えないと負け惜しみにいつも思う

しかし先ほどから僕にしきりにあのAIがそんな題名らしい本を薦めてくる

この時代すぐさま僕たちの脳内には電流が流される

正直あの電流が流されていない場所なんて存在しえないのではないだろうか

その電流は正直なところテレパーシーにも似たいようなもので

どんな世界の国の言葉でも感情そして伝えたいことが伝わる

そしてそうなると人は文字など使わなくなり無知世代という物が生まれてくる

「文字の読めない世代」

しかしそれは必然のような気がする

文字に変わってそのテレパシーのように伝わる物が増え

今では大半がそれだ

従来には速読なんて物があったらしいが

あのテレパーシーみたいな物を使えばどんな長いものでも一時間以内に全て読み終えることが出来る

正直一時間もかかるものなんてこの世にはないだろうけど

しかしわざわざ時間をかけたい人は本も骨董店からかう人もいれば

わざわざテレパシーみたいな物の時間を遅らせて

従来みたいに読むように改造した物まであるからどうもよく分からない

人は必ずしも便利や良いことに喜ぶわけではないのかも知れない

そんなことを考えるのは

横で読めないことを良いことにいじめのように勧てくるロボットの

行為を無視するためにやっているのではあるが

「この犬はなんて言う種類なんだ」

「・・・・ノンヘアー種ですが」

「いやそれはその分類の大まかな判定であってもっと詳しく」

「わたくしのプログラムではそこまでしか」

「・・どんだけポンコツなんだよ」

「お言葉ですが生活保護を受けてらっしゃる方は犬をほとんど飼いません」

「・・飼う人は」

「それが無くては生きられない種類の人間です」

「・・・ところで何か変わったものはなかったのかこの犬」

「リンカーン」

「っへ」

「そう入れ墨が彫ってあります・・愛犬団体に告訴しますか」

「・・・いや飼い主が分からないし・・しかしこれ何で彫ったと思う」

「この犬の名前ではないんですか」

「・・・そう思うか」

「違うんですか」

「お前今朝の事件知っているか」

「ああ、食い逃げ犯がなんと消火器で・・」

「違う俺のだ・・そっちより俺の方が大事だろ」

「いえ、大事というのは人それぞれ違います、特にあなたは毎日のように大怪我をなさってますので多少は」

「・・・・」

「えーーと確か怪我をなさったきっかけのものが」

「ああ、おなじようないれずみがあった」

「これは同じものですか」

「いやこれほどは並びが良くはない、もっとひどいものだった」

「しかしなぜリンカーンなど」

「心当たりは」

「あったら言っています。・・・しかし」

「なんだ」

「これはもしかして組織名・・または何らかの目印なのではないでしょうか」

「たとえば」

「麻薬をこの中に仕込んで、それで受け取るという」

「・・・調べたよな」

「しらべましたがなにもでませんでした」

「古いなんて事はないよなお前の機能が」

「お言葉ですが私は一級品です」

「・・・・じぶんでいうか」

「自分で言います一級品と」

「それじゃあ、なんなんだ」

「・・・・今から事件か何かが起こるというあなたの偽造でなければ・・」

「・・・」

「偽造でなければ知りません」

「知らないっていうのが一級品の答えなんだな」

「・・・まあなんといいますが・・そうです」

「・・・・・ちょっと出てくる」

「・・眠らないんですか」

「・・・仕事が終わったらな」

「・・・・・」

「・・・・なんだ」

「・・・・・いえ」

「・・・・・お前は今の状況から逃れないと一生眠ることができないと思っているな」

「・・・まあ」

「・・これで食っていけるとは・・」

「無理でしょう・・・九十九パー・」

「・・いってくる」



外は実に寒い

寒いって言ったら寒い

鳥肌がコートの中にびっしりと立ち

もうこれから僕は凍え死ぬんじゃないかという怖い考えが浮かぶが

それよりもまずは何かネタに

いや餌になりそうな物があるはずだ

しかしあてがないのはやっかいだ

このリンカーンと入れ墨をされた犬

しかし体内からは何も検出されない

・・・・どういうことだ

次第にしらずみはじめる夜空を見ながらため息をついた

・・・今日も眠れなさそうだ

これは正直割に合わない

割に合わないがこれは楽しい

何が楽しいかと言われれば

ハードボイルドだから、としか言いようがない

世の中には金よりも大事な物があるらしい

強いて言えば

どこまでも掴めない夢と

いつでも掴める夢なら

いつまでも掴めない夢の方が価値があるような気がする

僕はそうでもないが

世の中には選んでいるときが一番楽しいと言うが

僕はそんな物に時間を費やして苦しみ抜いて一円でも安い物を選ぶよりかは、適当に評価の言い物を買ったてしまえばいいじゃないかと思う

それにしても寒いな

僕はコートの中で肌をこすり合わせながらそんなことを思う

どうもふときが付くといつも口癖のようにこの時期は

寒い寒い寒いと思ったり独り言を言っていたりする

全く持って端から見れば実にお寒い・・いや痛い人間に感じられるのかも知れないが

これは僕が悪いのではなく

寒い生活を強いる社会が悪いと適当に言っておこう

しかし寒い

最近まで知らなかったが

それはよくよく考えてみれば必然で

一番寒いのは

夜中でもまた夕方でもない

明け方なのだ

単純に地球があったかいのは太陽があるせいで

それがない

一番長い時間がその明け方に当たるわけで

最近夜の町を歩いてそれを知った

知ったがどうにも出来るわけではない正直な話

ここまで時間が過ぎると明け方頃には

感覚が麻痺して寒いのかどうかも分からなくなる

だから何とかなれるわけではないが

そんな違いを感じる今日この頃である

はあーーさむい・・っと

僕の前方をいきなり何かがよぎる

「・・・何だ」

僕はその言葉を飲み込むようにそれを目でおい向きを変える

その大きさは実に小さく

言ってみれば猫を思い浮かべる

しかしそれよりか少し大きいことを考えれば・・鼬・・・いや犬だと思われ

僕はそれを追う

もしかしたらもしかするかも知れない

これは実は偶然に見せかけた、誰かのドッキリかも知れない

しかし僕は知っている

どんなことでも案外つながっている

世には縁なんて物があるが実際そんな物は知らないが

しかし

どうも予感という物は存在する

危ないなーとか思っていると転けたり

来るなーと思っているとぶつかったり

これは単純に生きていた経験が見せる予知なのか

それともはたまた偶然にその印象だけが記憶に焼き付き覚えているのか

どちらにしても僕は走っていた

道はあいつと思われる物にいつも合う路地裏であり

所狭しと並べられるように置かれた良く分からない物の間を

夜と同じように走る

果たしてこんなことして何になるのだろうと考えそうになって首を振る

こんなことでもこんな偶然はあり得ない

・・・あり得ない

確かにあり得ない

これを幸運と取るか、仕組まれた罠と取るか

しかしそんなことを考えている内に僕はその犬を見つけた

別段見失っていたわけではないが

その犬を見つけた場所が行き止まりだったので

印象的にそう思ったのである

「もう逃げられねーからな」

僕はそう言ってにじみ寄る

「うーーーー」

犬は低いうなり声をあげる

よっぽどのんげんがお嫌なようだ

「・・・・」

僕は一瞬に相手の腹の合いだに手を滑り込ますと

思いっきり後ろから抱きしめて持ち上げた

元々大型犬ではないので

そこまでの力はない

それこそ持てなくはない大きさだ

時に毛が生えてないので滑ることはけがある奴よりはないだろう

「・・・・・」

胸の中で暴れるノンへヤードック

「・・・おいおい暴れるなよ」

僕は必死で逃げ出そうとする奴の体を見た

「・・・っあった、あった」

そこには入れ墨で

「「「リンカーン」」」と書かれていた


「ーーでどーーよなんかわかったかへボロボ」

「へボロボではないです、そして手伝って下さい」

「無理無理僕はもう疲れた」

「・・・・・・しかしどうして彼らはこんな物を書かれたんですかね」

「それ昨日だっけ・・・もう話した」

「・・しかし」

「まあ僕という名探偵が思うにこれは地名・・」

「違います」

「聞けよへボロボっ」

「無理です本来機械に耳などと言う物はなく我々はその発した電波を分析して」

「それで何で地名ではないんだよ」

「・・・・・・・そんな地名無いんです」

「・・・・そう言う建物は」

「・・・・・・・はい」

「何でそこでない首傾げるようなことを言うんだ」

「・・・・調べるんですか」

「在るのか」

一瞬希望が僕の胸に訪れるも

「世界に数千件在ります」

「・・・ここら辺は」

「150」

「・・・何でだよ」

「知らないんですか、昔「空飛ぶ金魚鉢」の作者リンカーン・ルーズベルトの出生の地がここであり、また彼の記念碑が・・」

「つまり在りすぎると」

「まあそんなところです」

「その中で怪しい物は」

「聞きたいですか」

「言え」

「無いです」

「本当にないのか」

「機械にはその感情という物が良く分からないので」

「・・・・・使えないな」

「ええまあ、全て土産物の店なので・・・これと言って違いは」

「・・・ちょっと寝てから当たってみるよ」

「根性在りますね」

「金がないからな・・はああぁ・・寝るよお休み」


「起きて下さい」

「やめて・やめて下さい・・・だから・・私はリンカーンでは・・・もう醤油飲めませんから」

「何お夢見てんですかこの人は・・・起きろ」

「・・・なんだよ、おい」

「犬たちの様子がおかしいんです」

「・・・・そんなに犬を見るのが楽しいのか・・いくら知能が人間より・・いや自分より下だからと言って・・その動きを馬鹿に」

「そんなことは言っていませんし・・だいたい私は皆平等だと思っています」

「そんなこと思ってるなんて・・お前ばっかだなー」

「あなたにだけは言われたくはありません」

「それで犬が何したって・・逆立ちかそれとも」

「死んだんです」

「・・それはおかしいんじゃなくて不味いだろ」

「・・・だからおかしいと」

「原因は」

「窒息死です」

「・・陸なのに」

「・・陸なのにです」

「・・・海に戻ろうと退化しようとしていたとかではなく」

「海に戻ろうと退化していたわけではなくて、いきなり苦しみだして」

「・・・お前毒を盛っただろ」

「盛っていませんし、そんな金が在れば自分のオイルに回します」

「・・・・それじゃあなんで窒息死なんか」

「・・・・犬インフル」

「・・・そんな物があるのか」

「在ってもおかしくはないでしょ」

「・・そう言うものなのか」

「知りません」

「・・・・もしかして病気なのか」

「・・・窒息は病気ではなりません」

「・・・お前がウイルスとか」

「・・・・」

「そう言えば何で窒息死だと」

「のどの穴が塞がっていたんです」

「お前何食わした」

「・・・何も、いきなり苦しみだして動かなくなった物を調べたら

そしたら肉で完全に」

「・・・どんな堅い肉を食わせた・・」

「違います、自分の肉が」

「・・そんな病気在るのか」

「知りません・・・しかし」

「しかし何だ」

「細胞が作れる時代ですから・・・・もしかしたら」

「・・・・生物兵器なのか」

「ええ、もし食べ物の中かまたは体内に摂取させ

そこで勝手にDNAには入り込んで偽の細胞を作らせる

すなわち偽造癌です」

「・・・・・しかし何でそんな物がリンカーンなんて書かれて町をうろついていたんだ」

「・・・そう言えばあなた撃たれましたよね」

「・・ああ」

「・・・その人達はおっていた」

「追われて撃たれた」

「つまり逃がすことが目的ではなかった」

「・・まあ追って撃たれたんだから・・欲しかったんだろうな撃つほどに」

「詰まり、それは逃げることは想定外だったってことです」

「・・詰まり何らかの方法で逃げ出した・・または、渡すためにおいておいたのが渡す前に逃げ出したみたいな感じなのか」

「そんなとこかも知れませんし知れないかも知れません」

「・・・・・・バグったか」

「所でどうします」

「何が」

「これ警察に届けます」

「勿体ない」

「・・しかし、もしこれが生物兵器だった場合、大変なことになりますよ」

「それは詰まり儲かる」

「・・・何言ってるんですか」

「そう言えばこれは空気感染するのか」

「・・・・・っあ」

「しないよな」

「忘れてました・・・・」

「・・・いやいやいや・・・っえ」

「でもまあ、死んだ後は政府にあなたを尊い義性として」

「・・・おいおいおい」

「まあ冗談はおいといて、それも大いにあり得ますが、多分無理でしょう」

「何でだ」

「何で犬に打ってるんですか」

「打つとは」

「だからその細胞組織です」

「・・・ああそれがある前提の話か」

「多分ほぼ100パーセント有るでしょう・・・しかしなぜ動きにくい犬なんかに」

「それはまあ、犬だからしか無理な」

「・・・詰まり犬の体内にいる間、すなわち生きている生物の中でしか生きられない何かののでは」

「・・・これいくらぐらいで売れると思う」

「話聞いてましたか」

「・・・詰まりこれはもう売れないと」

「まあ・・無理でしょうね、実験体は生きていないと・・それでもいくらかには」


かくしてれっきとしたところに持ちかけると10鳥になった

「これでおまえの一日分のオイルにはなるな」

「・・・・・何もでませんがこんな症例は珍しいと言っていましたね」

「詰まり生きている内にはその存在は確かにあるが、死んだとたん皮膚に紛れて分からなくなると」

「まあそんなところでしょう・・まだ詳細は分かりませんが」

かくしてまたしても僕は大きなへまをやってしまったようだ

かくして家に戻るとなぜ家僕の家のドアの前にくすぶった草色のゴミが置かれていた

「・・・危険物か」

「生体反応があります」

その時だそれはムックリとうごいた

「っあ」

それはゴミではなく

大きめのコートを被った女性だった・・少女か

オカッパのぼさぼさ頭、病気のような白い顔

そしてこうとから僅かに見える枯れ木のような細く小さい腕と手

「・・・だだれだ・・」

「・・・もしかしてあの子達を見つけて下さった」

それはそう言うと僕に詰め寄ってきた

まるで頭を脱いだゆるキャラのような

ぶかぶかの大きな体を揺すらしてくる物はいやに怖い

「あなたは」

「私スピード細胞研究所西郷 鷹藻とも押します以後お見知りを・・であの子達は」

「・・・・・・・・・・国に届けました」

「・・・・っえ・・・国・・・何てことを」

「あなたはマッドサイエンチスト何ですか」

「・・・はいぃいいい・・・私は正義の医学者西郷 鷹藻ですよ

何で」

「だって犬死んじゃいましたじゃないですか」

「あれは死んだんじゃ・・・死んだ、ウソでしょ」

「本当だよなアイン」

「これはお初にお目見えになります、生活補助団体方ロボットI・Caアインシュタでございまさす」

「それはどうも・・・浮浪者だったんですね」

「・・・・・」

「所で本当に死んだんですか」

「ええ生体反応は全て正常に止まっておりました」

「すごい言い方だな」

「本当のことですので」

「そんなことはないんです」

「・・と言うと」

「彼らは夢の不老不死を乗せた物を体内に注入して置いたんです」

「不老不死」

「ええ、単純に言いますと、癌という物が体内ですることは知っていますか」

「・・・知りません」

「間違った体を作ることなんです・・良いかは悪いですが

例えば腕から心臓を間違った情報で作らせるようなもの

それを制御してそれよりも先に、正しい細胞を結成するのがこの幻と言われた不死をも実現可能にしたリンカーン何です」

「何でリンカーンなんですか」

「たまたまニュースに出ていた言葉があったので」

「偉く適当ですね」

「・・ビッビッと来ましたので」

「・・・・・しかし死にましたけどそれは」

「少し間って下さい」

女は部屋の中を物色し始めた

そこで彼女は悲鳴を上げた

「・・・こんな物食べてるんですか」

「・・・・・はい」

「・・・・これもですか」

「まあ」

「信じられませんが、あの細胞には生体を危険から守るように指令が下されています・・もしかしたらこんな毒を食べて死ぬくらいならと思ったのかも・・・」

かくして事件はまた一つや実の中に消えていく

今日も僕は闇夜を歩く

誰かの悲鳴を聞き逃さないよう

そんなとき僕はある足音を聞いた

それは人間ではない・・四本足だ、犬か

僕は拳銃を突き出すと同時に振り返ると

それに発砲の構えをした

それは見たときは大きめな毛のない犬だった

しかしその拳銃を見た瞬間

それは爆発的に皮膚が変形して

大きさもさることながら色形がまるで

鉄のような物になっていた

「・・・まさかな」

その時僕の頭の中では、細胞が犬を守るために体を強化するまでになっているのではと思っていた

「ウヲォオオオオオオーーン」

路地裏のような道にそんな声がこだます

・・・どうやら今日は僕が追いかけられる番のようだ・・・。



          イタチコーポレーション

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ