表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

第3話

【約束のタイムカプセル―1】

彼と出会ったあの日から、私の生活は色づいていった。

何をしてても、詩音と一緒だったら幸せだった。

朝早くでかけるときも、一緒におきて一緒に朝食をとった。

夜遅く帰ったときでも、何時まででも詩音は起きていてくれた。

「付き合おう。」

その一言だけが2人の間にはなかったけれど、一緒に住んでいたし、誰から見ても幸せなカップルに見えていた。


その日が来るまでは・・・。


ある日帰宅してみると、いつもより豪華な食事とワインがテーブルに並べられていた。

満面の笑みで詩音が待っていた。

「どうしたの?こんな晩御飯、初めてじゃん。」

詩音の笑顔につられて、私も笑顔になった。

「俺、仕事決まったんだ!だから、お祝いしたくて!!」

「そうなの?それはお祝いしなくちゃね!!」

私は嬉しくて仕方がなかった。


その日私は、明日も朝から仕事があるというのに、朝まで騒いでいた。

―AM6:30―

目覚ましの音で起こされた。

「頭いったぁ・・・。あれっ?詩音?しっお〜ん!!」

気付いてみると、家の中に詩音の姿はなかった。

頭は痛かったけど、力いっぱい叫んだ。

「しお〜ん!!どこ〜??イタタタタ・・・。」

ふと、今までのことが全部“夢”だったような気になった。

涙がゆっくりと流れていく。

そのときだった。

「ただいま〜。」

優しい声と一緒に、詩音が帰ってきた。

「涙目になって、そんなに頭痛きついの?」

困った顔をしながら、彼は頭痛薬を差し出した。

けれど私はソレを受け取らなかった。

頭痛薬なんかよりも、詩音がいることをこの手で確かめたかった。

そう考えているうちに、いつの間にか体が動いていた。

なんの前ぶれもなく抱きついた私に、一瞬戸惑った詩音もすぐに私を包み込み返してくれた。

私は詩音に頭をなでられながら、涙が止まるまで泣き続けた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ