表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

第2話

―AM2:00―

クリスマスのイルミネーションで彩られた街中を通り、家へと向かう。

幸せそうに手をつなぎながら、横を通り過ぎるカップル達・・・。

そんな街中で、私だけが無色だった。


通りを外れたところに小さな公園がある。

いつも通って帰る公園。

人ごみが苦手な私にとっての逃げ道だった。

クリスマスだというのに、飾りが何一つ、つけられていない場所・・・。

やっと自分の場所に帰ってきたきがした。

深呼吸・・・。息苦しさが溶けていった。

ふと目をあげてみると、ベンチに人が座っているのが見えた。

それは彼だった・・・。泣いていた・・・。

それに気づいた私の体は、感情が追いつく前に走り出した。

何も考えずに、おもむろに声をかけた。

「あのぉ、大丈夫ですか?」

私の声に気づいたらしく、急いで顔をふいていた。

そしてあの笑顔にもどった。

つぶれたケーキ箱を私に見せながら、彼は笑った。


つぶれたケーキ箱を見て、私は少しだけ悲しくなった。

「これ、ホントは彼女と食べる予定だったんです。

 けど・・・。彼女が俺とは違う男と歩いているのをみてしまって・・・。」

それ以上、彼の言葉が続くことはなかった。

そんな彼を見て私が思ったことは、もしかしなくてもおかしいだろう。

私は彼を見て、“愛おしい”と思った・・・。

何か出来ることはないかと、ひたすらに考えた。

ケーキ・・・。そうだ、売れ残りをもらったんだ。

私は笑顔で彼に言った。

「これ、よかったら一緒に食べませんか?」

ナンパな女に思われたかもしれない。

でも、私にとってそれはどうでもいいことだった。

「私の家すぐそこなんで来ませんか?ずっとここにいると風邪引いちゃうし・・・。」

彼は何一つ私の言葉に対して、ただ一言だけ言った。

「いいんですか?」

彼がそういったのを聞いて、私は笑顔でうなずいた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ