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第一部 第九章 王国騎士団との遭遇


朝。


ギルド前。


トムとリナが、先に来ていた。


二人とも、装備が新しい。


「どうした、それ」


トムが照れ笑い。


「昨日の報酬で、買いました!」


リナも、小さく頷く。


いい傾向だ。


冒険者は。


生き延びるために、金を装備に変える。



今日の依頼。


【街道沿いのゴブリン掃討】


少し遠い。


だが、報酬がいい。


パーティとしては、挑戦レベル。


「行けますか?」


二人を見る。


「行けます!」


「……がんばります」


よし。



街道。


森が近い。


視界が悪い。


嫌な場所。


慎重に進む。


物音。


前方。


鎧。


人影。


「……騎士?」


赤と白の紋章。


王国騎士団。


初めて見る。


数は、五人。


中央の少年。


金髪。


背筋が伸びている。


「止まれ」


若い声。


だが、威圧感。


俺は、名乗る。


「冒険者です」


「依頼で、ゴブリン掃討に」


少年が、一歩出る。


「私は、王国騎士団長、バルト」


周囲が、ざわつく。


団長?


若すぎる。


十七歳。


噂には、聞いていた。


天才。



バルトが、俺を見る。


「編成は?」


「三人です」


「危険だ」


「我々と同行しろ」


命令口調。


少し、腹が立つ。


だが。


拒否する理由もない。


「分かりました」



森の中。


騎士団の動きは、無駄がない。


静か。


速い。


俺より、はるかに上。


トムが、目を輝かせる。


「すげぇ……」


バルトが振り返る。


「私語を慎め」


トム、縮こまる。



ゴブリンの群れ。


十体以上。


バルトが指示を出す。


完璧。


戦闘開始。


騎士団が、前線を押さえる。


俺は、後方支援。


《マルチ》起動。


【職種:見習い魔術師】


火球。


一体、倒す。


トムが、俺の横。


指示。


「右!」


動く。


リナが、回復。


連携。


悪くない。



戦闘終了。


騎士団、無傷。


俺たちも、軽傷。


バルトが、俺を見る。


「冒険者にしては、動けるな」


褒め言葉、だと思う。


「ありがとうございます」



別れ際。


バルトが言う。


「名は?」


「カインです」


「覚えておく」


短い。


だが。


胸が、ざわつく。


強い。


あの人は。


間違いなく。



帰り道。


トムが興奮。


「カインさん!」


「騎士団長に名前覚えられましたよ!」


「……だから何だ」


言いながら。


少し、嬉しい。



俺は、空を見る。


まだ、遠い。


だが。


確実に。


近づいている。



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