第三部 第十章 覚醒の真実
王都の夜は静かだった。
だが、俺の胸の内は落ち着かない。
フード男。組織。未知の力。
全ての影が、俺を試すように迫っている。
ロンド、ユーリ、バックス。
三人が、俺を呼ぶ。
「そろそろ、覚悟を決めろ」
「何のこと?」
「お前の《マルチ》」
「進化はまだ、序章だ」
ロンドが説明する。
「お前の能力は単なるスキル統合ではない」
「“管理者の兆し”がある」
胸が、跳ねる。
管理者の兆し……
あの時、レオンが言っていた、あの感覚か。
ユーリ。
「この力は、敵よりも自分を壊す可能性がある」
「制御できなければ、周囲に害を及ぼす」
バックスも頷く。
「だが、磨けば最強」
俺。
拳を握る。
「壊すつもりはない」
「守るために、使う」
翌日。
訓練場。
ギルドの最上階。
ランド、アラン、バルト、ダニエル。
全員が集まる。
俺は、《マルチ:統合型》を再起動。
試す。
剣士、魔術師、僧侶、弓使い、斧戦士。
瞬時切り替え。
体力消費なし。
技の連携、自由自在。
初めて感じる、自分の全力。
空を仰ぐ。
風が、頬を撫でる。
「これが……俺の力か」
希望と怖さが、同時に押し寄せる。
王都ギルド長ギレンが、言う。
「十分に強くなった」
「だが、試練はこれからだ」
夕暮れ。
窓の外。
遠くの影。
フード男。
再び、挑戦状を示すように立つ。
俺は、剣を握る。
「次は、必ず勝つ」
拳に決意が宿る。
王都。
平和の影に、戦いの予感。
そして、俺の本当の戦いは、ここから始まる。




