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第三部 第三章 貴族の影
王都生活、三日目。
平穏。
……とは言えない。
ギルドに行けば、視線。
街を歩けば、噂。
「異常ダンジョンの英雄」
落ち着かない。
依頼掲示板。
Cランク中心。
護衛。
討伐。
調査。
普通。
それが、いい。
俺は。
森の魔物討伐を選ぶ。
出発前。
ギレンが、呼ぶ。
「気をつけろ」
「最近」
「貴族絡みの、面倒が増えている」
意味深。
森。
普通の討伐。
問題なし。
順調。
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帰り道。
馬車。
止まっている。
周囲。
倒れている護衛。
血。
生きている。
だが。
重傷。
馬車の中。
少女。
縛られている。
目が合う。
助けを、求めている。
俺は。
迷わない。
縄を切る。
「大丈夫ですか」
小さく、頷く。
遅い。
気配。
後ろ。
三人。
黒装束。
覆面。
プロ。
戦闘。
短時間。
だが。
手強い。
一人。
炎で。
一人。
斬る。
残り。
逃げる。
追う。
消える。
少女。
「……ありがとう」
声が、震える。
名前。
エルナ。
貴族。
家名。
言わない。
言えない。
王都へ。
ギレンに、報告。
眉をひそめる。
「面倒だな」
翌日。
城から、呼び出し。
謁見の間。
リュート王子。
一人。
「君が、助けた少女」
「重要な家の、娘だ」
嫌な予感。
王子。
静かに言う。
「最近」
「貴族の間で」
「裏の動きが、ある」
「君は」
「巻き込まれた」
俺。
苦笑。
「いつも通りです」
王子。
少し、笑う。
王都。
表は、平和。
裏は。
濁っている。
俺は、決める。
強くなる。
誰にも。
利用されないくらいに。




