第三部 第一章 王都への帰還
異常進化ダンジョン討伐から、五日後。
王国飛行船は、王都の上空を飛んでいた。
窓の外。
白い城壁。
高い塔。
整った街並み。
初めて見る王都。
胸が、少し高鳴る。
船内。
騎士。
冒険者。
魔術師。
皆、疲れている。
だが。
顔は、明るい。
勝った。
それだけで、違う。
ギレンが、俺の前に来る。
「正式に、報告書を出す」
「昇格の話も、出るだろう」
「心構えしとけ」
昇格。
Fから。
どこまで。
考えたことも、なかった。
着陸。
城門前。
人だかり。
噂は、もう回っている。
歓声。
名前。
聞こえる。
……俺の名前も。
耳が、熱い。
城内。
謁見の間。
王。
玉座。
威圧感。
バルト。
ダニエル。
ミレーヌ。
リュート王子。
俺。
横一列。
王が、言う。
「異常進化ダンジョン」
「よくぞ、討伐した」
「王国を代表し、感謝する」
深く、頭を下げる。
褒章。
バルト。
功績大。
昇進。
ダニエル。
同様。
ミレーヌ。
聖女として、正式任命。
ざわめく。
十五歳。
異例。
俺。
呼ばれる。
「冒険者カイン」
心臓。
跳ねる。
「Fランクながら」
「突出した戦果」
「よって」
「Cランクへ、特別昇格とする」
ざわっ。
耳を疑う。
C。
一気に。
ギレンが、横で頷く。
現実だ。
王が、続ける。
「王都冒険者ギルドにて」
「育成支援を行う」
「さらなる成長を、期待する」
謁見、終了。
外。
ランドが、笑う。
「お前、遠く行ったな」
首を振る。
「まだです」
夜。
王都の宿。
ベッド。
柔らかい。
だが。
眠れない。
俺は、天井を見る。
強くなる。
トップへ。
その道は。
ここからだ。




