第二部 第七章 異常進化ダンジョン
拠点設営から、三日。
周囲の調査は、進んでいなかった。
魔物が、強い。
数も、多い。
そして。
昨日。
発見された。
ダンジョン。
森の奥。
巨大な穴。
地面が、陥没したような形。
周囲の木が、枯れている。
「発生から、数日程度」
ユーリの言葉を思い出す。
――ダンジョンは、成長する。
だが。
この規模は、異常。
バルトが、判断する。
「内部調査を行う」
「無理はしない」
「撤退判断は、私が出す」
全員、頷く。
編成。
バルト。
ダニエル。
ランド。
アラン。
ミレーヌ。
俺。
いつもの六人。
ダンジョン内部。
暗い。
湿った空気。
壁が、脈打っている。
生き物みたいだ。
「……気持ち悪い」
ダニエルが、呟く。
第一層。
スライム。
だが。
黒い。
大きい。
動きが、速い。
戦闘。
普通のスライムじゃない。
核が、三つ。
三回、壊さないと倒れない。
効率が、悪い。
第二層。
ゴブリン。
だが。
腕が、四本。
サイズは、オーク並み。
「ふざけるな……」
ランドが、笑う。
「楽しいな」
笑えない。
戦闘。
激戦。
バルトとダニエルが、前線。
俺は、横。
《マルチ》。
剣。
魔法。
切り替え。
忙しい。
ミレーヌの回復が、追いつかない場面も出る。
奥。
休憩。
全員、息が荒い。
「まだ、浅層だぞ」
バルトの言葉が、重い。
第三層。
空間が、歪んでいる。
中心。
大きな水晶。
脈動。
「ダンジョンコア……?」
ランドが、首を振る。
「違う」
「未成熟な、何かだ」
嫌な言い方。
守護。
巨大な魔物。
人型。
影。
二つの顔。
四本腕。
見ただけで、分かる。
今までとは、格が違う。
バルトが、即決。
「撤退」
誰も、反対しない。
帰る。
背後。
魔物が、動く。
遅い。
追ってこない。
まるで。
見送られている。
拠点。
報告。
結論。
「放置できない」
だが。
「今の戦力では、無理」
つまり。
応援が、必要。
夜。
ミレーヌが言う。
「このダンジョン」
「管理者が、関わっています」
確信。
胃が、重い。
俺は、剣を握る。
強くなるしかない。
それしか、ない。




