第二部 第五章 未知大陸行き決定
レオンとの模擬戦から、三日。
体は治った。
心は、まだ痛い。
あの差。
圧倒的。
だが。
見えた。
届かない壁じゃない。
そう思えた。
王都冒険者ギルド。
大広間。
参加者、全員集合。
バルトが前に立つ。
「重要な発表がある」
空気が、張り詰める。
「最近」
「海の向こうで、異常が多発している」
「未知大陸と呼ばれる地域だ」
地図が、広げられる。
見たことのない大陸。
「ダンジョンが、自然発生している」
「しかも」
「通常より、成長が早い」
ざわつく。
ダニエルが、続ける。
「調査団を編成する」
「若手からも、数名参加してもらう」
嫌な予感。
名前が、呼ばれる。
「カイン」
心臓が、止まりそうになる。
「ランド」
「アラン」
「ミレーヌ」
「バルト」
「ダニエル」
トムとリナは、呼ばれない。
胸が、締め付けられる。
終了後。
トムが、無理に笑う。
「すげぇじゃないですか!」
リナも。
「気をつけて……」
俺は、頭を下げる。
「必ず、帰る」
ロンド。
ユーリ。
バックス。
三人に、報告。
ロンドが言う。
「行くな、とは言わん」
「だが」
「帰ってこい」
ユーリ。
「死んだら、許さない」
バックス。
「殴れるくらい、強くなって帰れ」
笑う。
出発前夜。
ミレーヌが言う。
「怖いですか?」
正直に言う。
「はい」
ミレーヌが、微笑む。
「私もです」
「だから」
「一緒に、帰りましょう」
頷く。
港。
大きな船。
風が、強い。
レオンも、乗る。
バルトとダニエル。
ランドとアラン。
ミレーヌ。
俺。
未知大陸。
名前すら、分からない場所。
だが。
俺は、冒険者だ。
行く。




