第二部 第一章 王都への道
Eランクになって、一週間。
依頼の幅が、広がった。
報酬も、少し増えた。
装備も、少し良くなった。
だが。
ロンドは言う。
「ぬるい」
容赦ない。
ある日。
ギルドで、張り紙。
【王都冒険者ギルド 合同研修参加者募集】
内容。
若手冒険者を王都に集め、訓練と交流を行う。
推薦制。
マリンさんが、俺を呼ぶ。
「カインさん」
「ギルド長が、会いたいそうです」
心臓が、跳ねる。
ギルド長室。
中にいたのは。
大柄な男。
白髪交じり。
鋭い目。
ギレン。
この街の、冒険者ギルド長。
「座れ」
言われるまま、座る。
「お前を、王都研修に推薦する」
即答。
「……ありがとうございます」
「理由は?」
「伸びしろがある」
短い。
だが、重い。
トムとリナ。
二人も、推薦された。
三人で、王都へ行く。
不安。
期待。
半々。
出発前夜。
ロンドが言う。
「王都には」
「化け物が、山ほどいる」
「覚悟しろ」
「はい」
「死ぬな」
それだけ。
それが、一番重い。
街を出る。
馬車。
初めての長旅。
景色が、変わる。
山。
川。
森。
世界は、広い。
途中。
盗賊。
遭遇。
数は、五。
トムが、固まる。
俺が前に出る。
「トム、左」
「リナ、後ろで待機」
盗賊、襲ってくる。
剣。
魔法。
連携。
倒す。
無傷。
成長を、実感する。
数日後。
見えた。
巨大な城壁。
王都。
言葉が、出ない。
トムが叫ぶ。
「でっか……」
リナも、目を輝かせる。
俺は。
胸が、少し苦しい。
ここからだ。
王都冒険者ギルド。
人の量が、違う。
空気が、違う。
受付嬢。
「案内します」
研修開始。
王都の若手。
地方の若手。
集まる。
その中に。
見覚えのある顔。
バルト。
王国騎士団長。
隣に、もう一人。
黒髪の少年。
「私は、騎士副団長、ダニエル」
十六歳。
若すぎる。
会場が、ざわつく。
バルトが言う。
「今回の研修」
「我々も、監督する」
つまり。
本気。
俺は、拳を握る。
負ける気はない。




