『作者が本当に書きたかった、たった一つのシーン』182
皆様、こんにちは、こんばんは!
そして、いつも本当に、本当にありがとうございます。作者の〜かぐや〜です。
はぁ……はぁ……ぜぇ……。
す、すみません。作者、今、ちょっと息が上がっております。
今回の更新分、いかがでしたでしょうか?
もう、ジェットコースターなんてもんじゃない! まさに、天変地異!
まずは、聖王都でのマリア様による盤面整理!
いやはや、彼女、本当に容赦ないですね!
デニウスを手玉に取り、ライナー隊長を諭し、そして帝国と王国を裏から操る。まさに『盤上の女王』!
彼女が味方で、良かった……と。
そして、舞台は南の海へ!
我らが天才マキナさんが産み出した『鋼のトビウオ』!
海兵たちが船酔いでグロッキーになる中、平然と豆鉄砲特訓を始めるハヤトさんとヴォルフラムさん!
もう、この船、大丈夫なんでしょうか!? ロッシ中将の胃が、そろそろ限界を迎えそうです!
リナ:「……作者。少し、よろしいでしょうか」
〜かぐや〜:「ひゃ、ひゃい! なんでしょうか、リナちゃん! ついに、ついに、助かったね!」
リナ:「ええ、それはもう、本当に……。ですが、その助けに来てくれた仲間たちが、少し、いえ、かなり、おかしくありませんか? ハヤトさんは『ショータイムだ!』とか言って一人で踊り狂っているし、ヴォルフラムさんは血まみれで笑っているし、ゲッコーさんに至っては、バルドルさんの四肢を……」
〜かぐや〜:「い、いやいや! みんな、君を助けたい一心で、ちょっとだけ、テンションが上がっちゃったんだよ! ね?」
そう! それですよ!
今回の最大のクライマックス、『狼の巣』強襲作戦!
ハヤトさんの、もはや人外の領域に達した『黒曜の疾風』っぷり!
ヴォルフラムさんの、弾丸を弾き返す、まさに『帝国最強の盾』としての覚醒!
そして、ゲッコーさんの、静かなる怒りと、完璧なる復讐劇!
□■□
しばらく前。作者が「色々な未来の可能性が見えて、どの道を選ぶか悩んでいます」と、スロー運転のお願いをしたことがありました。
あの時、物語をどう進めるべきか、本当にたくさんの選択肢の前で、頭を抱えていました。
リナたちがどう動き、世界がどう応えるか。その一つ一つの選択の積み重ねが、沢山の全く違う未来へと繋がって行っていて、とても悩んだのです。
その、無数にあった「もしも」の道筋の中から、リナたちが選び取り、物語が進んでいったその先には、たくさんの楽しそうな光景がありました。
その中に「このシーンが描けたら、楽しそうだな」
と、密かに、強く感じた、ひとつの光景がありました。
それが、この島での、あと少し先までの、一通りのシーンでした。
ここまでのすれ違いや、何とか間に合うゲッコーさん。剣と盾の超人的な活躍とリベンジ。絶望的な状況。崩れ落ちてくる天。
そして、リナが、ただの軍師ではなく、ただの少女でもなく、仲間たちを、そして、ついさっきまで敵だった者たちさえも救うために、その力の全てを解放する。
「――《この地なる全ての岩よ、土よ! 我が声を聞け!》」
やっと、この光景まで、たどり着くことができました……!
リナたちが悩み、戦い、絆を深めてきた、その道のりの果てにこの光景がありました。
このヴェネツィア編で、私が、〜かぐや〜が描きたかった、それがこれでした。
何人かの方が「面白い!」と、思っていただけたなら、作者としてこれ以上の幸せはありません。
リナ:「……作者。あの、大変なことになっているんですが」
〜かぐや〜:「うんうん、大変だったね! でも、みんな助かって良かった!」
リナ:「いえ、そうではなくて。……私、とんでもない力を、とんでもない数の人々の前で、使ってしまったんですが。……この後、どうなるんですか? 私の平穏な日常は、もう、帰ってこないのでは……?」
〜かぐや〜:「だ、大丈夫だよ! きっと、みんな『あれは夢だったのかな?』って、ごまかしてくれるって! 多分!」
……と、いうわけで!
ついに、リナが、その力の真髄を見せました!
この奇跡は、彼女の、そして、大陸の運命を、一体どこへ導いていくのか!?
物語は一つの大きなクライマックスを終え、新たな、そしてさらに大きなステージへと突入します!
皆様のブックマーク、評価、そして温かい感想がこの興奮冷めやらぬ私の筆をさらに走らせる力になります。
次回もどうぞお楽しみに!
最後までお付き合いいただき、本当に、本当にありがとうございました!
〜かぐや〜
あとがき、のあとがき:『作者の、もう一つの告白』
皆様、こんにちは、こんばんは。
作者の〜かぐや〜です。
あとがきで興奮のあまり色々書き連ねてしまいましたが、もしよろしければもう少しだけ、私の胸の内を聞いていただけないでしょうか。
正直に告白します。
今回のリナが大地を鎮めるシーンは、書きながら私自身とても怖くもありました。
読者の皆様がこの展開をどう受け取ってくださるだろうか、と。
この物語はこれまで、できる限り「人の力」と「知恵」で困難を乗り越える様を描いてきたつもりです。
リナの『多言語理解』というチートも、それ自体が万能の力ではなく、彼女の前世の知識や努力、そして仲間たちの協力があって初めて意味をなすものとして、大切に描いてきました。
ですが今回の「奇跡」は、少し毛色が違います。
ともすれば物語のバランスを崩しかねない、あまりに強大な力。ご都合主義と言われても仕方のない力かもしれません。
「ああ、この作品も結局はそういう『何でもあり』の展開になるのか」
もしそう感じさせてしまったのなら、本当にごめんなさい。
実はそうはならない予定です(笑)
この世界を創った時から、この世界には、リナの中には、こういう力が眠っていると決めていました。
ただ彼女自身がその存在を知らなかったこと、そして何より軽々しく使っていい力ではないという思いから、これまでずっとリナと共に物語の奥底に封印されてきた力でした。
ですが、あの絶望的な状況で。
仲間たちが、そして敵だった人々さえも無慈悲な死に飲み込まれようとしている、あの瞬間に。
リナならきっとこうするだろう。
いや、こうしてほしい。
作者として、そして一人の読者としてそう願ってしまったのです。
理屈や物語のバランスを超えて、「このシーンが見たい!」「こういうリナが私は読みたい!」というどうしようもない衝動を、今回は貫かせていただくことにしました。
これが私の「楽しい」です。
これが私が皆様と共有したい、物語です。
もちろん、この力が今後何でも解決してくれる便利な道具になることはありません。基本的には使いませんし。
また、この大きすぎる力を持ってしまったが故の、新たな苦悩や葛藤もきっと彼女を待ち受けています。
これからも私は、私が「読みたい」と思う物語を誠心誠意紡いでいきます。
その物語を、「私もこういうのが読みたかったんだ!」と一緒に楽しんでくださる方が、何人かでもいてくださるのなら。
作者として、それ以上に嬉しいことはありません。
長々と、私のわがままな独り言にお付き合いいただき本当にありがとうございました。
これからもリナたちの物語を、温かく見守っていただけると幸いです。
〜かぐや〜