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小話②〜再実習、その後

端的に言うと、再実習は合格した。


流れとしては、重症を負ったアンヴィアンを早々に治療院へ運ぼうとするが、再実習がまだ途中だということを思い出した。

バベルも回復術師を目指す身として人命優先ということは重々承知しているが成績も大事なので、

「おい、おまえら」

「はい!!」

バベルの承諾をもらって、メイプルリーフコングの死骸を解体していたアレン達に声を掛ける。

ちなみに、メイプルリーフコングの毛皮は高値で売れる。しかし、薬の材料になる内臓と骨はグチャグチャになっていたので使い物にならなかった。

職人モードになっているウォーカーの皆さんはバベルに注目する。

「おまえら、ここでターコイズホシヒカリゴケを取ったって言ってたな?それ、出せ」

「・・・え?」

完全に強盗の言い方だった。

が、

「はい、こちらです」

アレンが袋いっぱいに入ったターコイズホシヒカリゴケをスッと、献上した。

正直言って、断る理由もなかった。

ミリーには怪我の治療をしてもらったし、バベルには恐ろしいモンスターから守ってもらい、その上、そのモンスターの死骸を譲ってもらったのだ。

その対価として、ターコイズホシヒカリゴケを譲るなど安すぎるほどだった。

あと、断ると怖そうなので。

なにはともあれ。

「よし!目的達成だぁ!!」

バベルは学園に来て初めての達成感に酔いしれた。


「早くしてもらえると、嬉しいのだけれども」

「さっさと、来なさいよ・・・」

「あ、はい」


女子二人は冷ややかな視線と声でバベルを呼ぶ。

どうやら共感はしてもらえなかったようだ。

アンヴィアンはまだ顔色は悪く、座り込んで居た。

バベルはそんな彼女を軽々おぶって、一同は洞窟を後にした。


「はぁ〜・・・、やっと終わった・・・」

バットは三人が帰路についたことを確認して、大きくため息を着いた。

改めて、今日のバベルの奇行を振り返った。

☆5モンスターを一撃で倒した。

以上。

実際バベルが戦っている姿を始めてみたバットは目を疑った。

流石に加勢をしようと思ったが、あっという間に事が終わってしまった。

正直、監視は必要だが護衛は全く必要のないことだと実感した。

依頼主の言葉の意味がわかりかけてきたバット。

「・・・だったら、遠慮なく監視させてもらおうじゃないか・・・」

バットの目が怪しく光った。

(それにしても・・・)

バットは、今回の件で気になる名前がでてきたのを思い返した。

(あの『貴族屋プリミティブ』で有名なゾロモン家が関わってるとはな・・・。また面倒なことになりそうだな・・・)

このバットの予想は当たる。

当たることは当たる。

バットはいくつか起こり得る面倒なことを思い浮かべたが、それ以上に面倒なことが起こる未来が来ることをまだ知らなかった・・・。


ワインズはサエン洞窟の経緯を聞き終えて、お気に入りのワインに舌鼓を打っていた。

それに付き合う『少女』。

「さてと・・・、次はどうしようかな・・・」

「・・・」

ワインズの独り言に注目する少女。

「フフ、気になるかい?」

特に肯定も否定もしない少女。

「まあ、何でも良いんだけどねぇ。少し、『勘違い』しそうなクラスメイトに釘を刺せればね。自分が、貴族よりも優秀だって思い込んでしまっているかもしれないからね」

ワインズは獲物を狙う獣のような目をしていた。

「我々、貴族がどれだけ優れているか。そして、貴族のあるべき姿を僕達は示していかなければならないのさ」

ワインを飲み干し、空のグラス越しで少女を見つめる。

「君なら分かってくれるだろう?レイニー」

少女・レイニー・クリスタニアは一口だけワインを飲んでグラスを置いた。


続く




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