深層への飛翔
第一部、最終話だ!
「キョウ、試し時だぜ。」
「ああ、やってやる。」
バスを降りる。
「君たち!!早く逃げなさい!」
「ま、みてなよ。」
贖罪者と対峙する。
「一応、銀線剣をくれ。」
初出し、しかもさっき思いついた技を、実戦投入?
馬鹿げている。
が、この男はやる。
「【銀ノ侵入者】」
通常の【銀ノセン】を生成後、それを割くようにして細さを増していった。
もはや、目に見えない。
キョウは贖罪者に手を向けた。
「侵入せよ。」
贖罪者は動きを止めた。
極細の無数の銀線が体内に侵入し、動作を固定している。
筋肉や内臓に針金が張り巡らされているような。
「俺にできるのはここまでだ。あとは頼んだ。」
「よし。」
動きは止まっているため、すぐ近くまで接近する。
「【空歪刃】」
銀線剣の周りに砂嵐が巻き付く。
そのまま銀線剣を振り下ろし、贖罪者に触れる瞬間、一気に動作がワープする。
斬り終わっている。
「な、何者なんだ、君たちは。」
§§§
「パラサイト作戦は上手くいったな、キョウ。」
「動きを止めることは出来たんだけど、ダメージが入らないな。」
「量を増やせばいいんじゃねえの?」
「てか、最後のアインのやつは何?」
【空歪刃】は結構前から構想を練っていた技だ。
斬撃の過程を強制的にトばすことで確定ダメージが入る。
「それ、やばない?」
「だろ。」
そして何事もなかったかのようにバスに乗る。
贖罪者の処理は警察に任せた。
「じゃ、運転手さん、よろしくお願いします。」
「は、はい。(おいまじか。)」
バスは戸惑いを乗せたまま、発進を始めた。
バスを降りて、また別れ道についた。
「明日は、また学校だな。」
「楽しかった。」
今日はスキルに頼らず、歩いて帰るとするか。
塀が並ぶ住宅街を歩く。
大体家まで10分ぐらいだろうか。
慣れたものだ。
と、電柱の張り紙を見て思わず立ち止まった。
『適合者募集!!』
明らかに閑静な住宅街にはミスマッチな広告をみて、思わず動作が止まってしまった。
〜〜〜
新型兵器に適応できる人材を募集しています。
選考会は5月16日、K市の市民会館にて行われます。
是非、ご参加ください!
詳しくは×××-××××-××××まで
〜〜〜
「…………なんだ、これ。」
キョウも誘って……いや、一人で行くか。
いいね、☆評価、よろしくお願いします。
第二部は明後日公開です!