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SILVER SKY - シルヴァー・スカイ -  作者: 梁間 蕭雨
第四部「光陰」
33/35

這い上がるもの


 ライセは23歳で、独房に入れられたのは三ヶ月前。


 固有スキルが強力なことで知人間(ちじんかん)で話題になり、さまざまな犯罪に加担してしまったそうだ。




 そんな彼の固有スキルは、【状態変化(オルタレイト)】。




 §§§


「オル、タレイト?」

「物質のあらゆる状態変化を操れるんだ。」



 独房を出て、一旦地上に降りた。



「じゃああの独房の壁も溶かしたりなんだり出来ただろ?」

「いや、あそこで目覚めた時は既にボロボロで。」



 あらかじめ弱らせてから入れたってことか?


 なんて人道を外れた組織だ。



「物質の融点とかが関係するとか?」

「そうそう、多分あれ鉄っぽいけど改良された合金とかだと思う。だから全然溶けなかった。亜鉛とかスズなら溶かせるんだけどね。」



 この施設から脱出するにあたってのミッションは二つある。




 一つはライセの回復。


 そしてもう一つは龍鳴の奪還。




「久遠の塔のこと、なんか知ってる?」

「まあ、三ヶ月もいたらな。さっきのミッションプランについてだが、食料に関しては職員のいる管理棟にはあるかもしれない。」

「後者は?」

「押収物として保管されてたら別だが、十中八九研究室棟にあるだろうな。」



 このパークは軍事研究が主体となっていて、そうなるとメインは研究室棟だ。


 管理棟の警備システムは突破できるらしい。

 あくまで、油断さえしなければだが。



 が、問題は最高峰のセキュリティを誇る研究室棟らしい。


 そして何よりこのパークで一番広い施設だ。



 龍鳴を見つけるのは至難を極めるという。



「でも、やるんだろ?」

「それ以外の選択肢を選んでも、この先いいことなんてない。」



 パーク内の施設配置についてだが、久遠の塔のすぐ隣に警備棟、そして管理棟がある。


 まずはそこの制圧を優先する。



 そこからが本題だ。


 研究室棟に行くためには久遠の塔含めた三施設を囲った高さ50メートルの壁を突破し、すぐ下にある警備棟本部に侵入。


 その地下から生体認証を装備した「パスロード」を通る。



 という気の遠くなる道のりを行かなければならない。




 研究室棟はハリボテの地上部分こそあるが、中枢は地下。

 故に正面突破以外に方法がない。



「いやいや、その前にこっから出ないと。」

「アイン、俺にいい案がある。」


 そういってライセが指さしたのは、夥しく張り巡らされた配管だった。


「配管を辿っていくと高い確率で制御室がある。そこから職員用の玄関を探せばーーーー」




 ライセの指は果てない鉄管を伝って。






「ゴールってわけだ。」







休み休みで申し訳ないです。ブックマークよろです。

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