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SILVER SKY - シルヴァー・スカイ -  作者: 梁間 蕭雨
第一部「異質」
3/35

絶望、展望。

 次の日、ツレは休んだ。


 無理もない。


 彼女は昨日、二人の友達と自分の担任を殺めた。

 ()()()()()


 学校には警察が来て、何人かの生徒は事情聴取を受けている。


 ツレの家には何故か電話が繋がらないらしく、警察も困っているようだった。


 事件当時、幸いにも死者三人以外でスキル効果範囲に居た人間はいなかったらしく、教室の席はツレを含めた三つの席が空いていた。


 女子生徒の数名には教室の端で涙を流すものもいる。


 いつもの少し固いホームルームも、今日は無い。


 異様で、暗い雰囲気がそこかしこに漂っている。


 俺たちはただ、それを享受するだけで、最悪の雰囲気を打開する何かを生み出すには至らなかった。


 人が死んだ。


 その事実はあまりに重く、今日という日にのしかかっていた。



  §§§



 代理の先生が来て、ホームルームが始まった。


「今日は、休みにします。帰ってゆっくり療養するように。」


 それだけだ。


 また、キョウと帰路につく。


「なあ、アイン。」

「ん?」

「死んだのさ、俺の好きな人だったんだよね。」


 横にあったキョウのよく整った顔は、とても悲しく歪んでいた。


「ツレが悪くないのは知ってるし、仕方がなかったのも分かるよ。」

「…………葬式には、行くのか?」

「もちろん、そうしたいところだけどね。」


 家に帰ったら、何をしよう。


 別れ道に来た。


「じゃあな、キョウ。」

「また例のアレで帰るのか?」


 少し、ワクワクしているようで、気分も上がっているようだ。良かった。


「ああ。」




「【空歪(ノイズ)】」




  §§§



 自分の部屋。昼の日差しが、窓から。


 これが、【空歪(ノイズ)】の持つ力だ。


 ()()()()()()


 時間は進んでいる。


 が、下校したという記憶は無い。


 砂嵐に、腕を突っ込んだだけ。


「使えるな、これ。」


 これを発動してから、動作を達成する間、俺は消えるらしい。


 まだ謎は多い。



 ピコン



 緊急メールか。なんだ。


 〜〜〜〜


 明日、八時半にホームルームで大事な話をします。必ず来るように。


 〜〜〜〜


 ま、時間に関してはいつも通りだ。心配することは特に無いな。


 暇だし、実験も兼ねてキョウの家に行くか。



 プルルルルル


「もしもーし、キョウ君いますか?」

『はいよ。』

「今からそっち行くわ。良い?」

『別に良いけど。』


 プチッ


「じゃ、【空歪(ノイズ)】。」


 


 ザザザザ




 砂嵐と、対峙する。


 腕を突っ込む。



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