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SILVER SKY - シルヴァー・スカイ -  作者: 梁間 蕭雨
第四部「光陰」
28/35

一夏の終わり



 翌日。




 目が覚めた。

 体が動かないほどの激痛や倦怠感、痙攣がある。


 見上げたのは、和室の天井だった。



 意識が混濁する。

 記憶が色々と食い違っていて、よく分からない。




 思考が捗らない。




 というか。


 獅死ノ戦団との戦いは?



 あれ、終わったのか。



 何があったか、よく思い出せない。


 記憶を辿ってみても、サガラさんの応援に行ったあたりからその先が決して思い出せない。



 でもやってはならないことをしてしまった気がする。


 所謂、一線を超えたような。



 とすれば。



 自分の中の禁忌とは何か?


 禁忌。



 命に関する何か、してはいけないこと。






 もしや、龍鳴?






 龍鳴を起動したのか、俺は。


 合点がいく。



 おい。


 そんなことより大事なこと。



 サガラさんは。

 サガラさんは無事なのか。


 あの出血と、その後。



 キョウも。


 二人の無事は、確認しなければ。



 とは思う。



 何としても、体は動こうとしない。




 ドタドタ!




 大きい足音と勢いよく開く扉。


「アイン、水だぞー………なんて。ってえぇ!?目覚めたのか!」

「!」


 キョウだ。


 生きててくれたのか。


「まだ喋れないんだろう?いいんだ休んどけって。水、置いとくからな。」




 良かった。




 良かったなあ。




「おい、何泣いてんだよ。グスッ、俺だって心配したんだからなあ……」



 オマエこそ何泣いてんだよ。


 こっちのセリフだろ。


「なんてな。」






 ッチ、マジでコイツ。






 §§§



 リハビリをジパニスで済ませた。


 そしてジパニスに来て一ヶ月が経ったということで、帰国することになった。



 サガラさんの方は結果から言って無事だった。


 が、もう戦える体ではなくなってしまったらしく、後進の育成に専念するらしい。



 キョウはギリギリ羅生流の型を全て教わることができ、とても喜んでいた。


 昼夜「羅生流!」と叫んでいて、うるさい。



 サガラさんが正門のところへ見送りに来てくれた。


 使用人の人たちも屋敷にいた全員が並び、弟子たちも加わって壮観だ。



「アイン君、キョウ君。君たちは自慢のワシの弟子だ。すまんのぉ、敵襲なんか経験させてしまって。大変じゃったろう。」



 声は掠れていて痛々しいが、そこには芯があった。



「いえ、実戦で羅生流の有用性を実感することができて良かったです。」

「僕もサガラさんが戦っているところを見てとてもワクワクしました。」



 口々に感想を言うと、サガラさんの目から、涙が一筋零れ落ちる。



「かたじけない。ありがとうなあ。」



 いい師匠に恵まれた。


 ジパニス、そしてこの屋敷には絶対にまた来よう。



 いい国だった。


 そして、この国を出た。




 §§§




 夏休み明け、学校にて。


 ひと段落したと思った。



 が、どうやら大事なことが計算外だったようだ。



「アイン、キョウ。宿題の提出数が極端に少ないが、どういうことだ?」



 二人、顔を見合わせる。


 仕方のないことだ。



 価値の高い、夏休みだったのだから。






 宿題?


「「さあ、僕たちにも分かりませんね。」」 







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