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SILVER SKY - シルヴァー・スカイ -  作者: 梁間 蕭雨
第三部「東征」
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雲上


 総長だって?





 勝て………いや、いま勝つ必要はない。



 習ったことを使っていかに足止めをするか。




 サガラさんでも、アインでも………


 とにかく誰か応援に来てくれるまで、天命をーーーーー!




「俺は君みたいな見てわかるような弱者にわざわざ全力を出すほど落ちぶれてはいない。」




 過度な挑発に、震えが収まってくる。


 恐怖に怒りが勝ろうとしている。




「が、この屋敷にいると言う事は。」




 怒りに身を任せてはいけない。


 確認だ。


 冷静になれ。


 相手の動向に鋭く目を光らせろ。




「君も、ある程度は強者の種を持ち合わせているのだろう?」




 腰掛けバッグに銀線球が何個か入っている。


銀ノ殻鎧シルヴァー・ディフェンダー】の準備をする。


 銀線が肌を這う。


 全身銀鎧装(フルアーマリング)に向けて、気づかれないように少しずつ。


 僕の銀線にほとんど質量はない。


 だから全身に銀鎧装を施しても機動力を損なう事はない。



 服で隠れている部分を覆っていく。




「と言う事で、俺の全力を見せてあげよう。記念とでも思う事だな。」




 臨戦体制は、整った。


 あとはどう来るか。


 神経を尖らせる。



 そよ風さえも、痛いほどに。




止水詛陣(しすいそじん)。」




 シバジマを円形に取り囲むように焦げた紋様が現れた。


 紋様が刻まれると、刀に手を掛け姿勢を低くした。



 来る。



 ガキィン!


「か、はっ」



 ヤバい。


 凄まじい衝撃と、脳が揺れる感覚。


 ファントムペインでない限り、五体満足で済んだようだが。


 タムラさんとのやり取りで更に銀線の強度を上げる事が出来たため、今の人外抜刀に耐えることが出来た。



 が、問題は速すぎて視認できないことだ。



「【銀ノ(シルヴ)……」

「させるか。」



 な、ちょっ!?



 ガイィンッ!


「ぐぅっ」



 ダメだ、隙が無い。


 というか悶絶している時間で次の攻撃の準備をしているのだろう。


 このままでは、終わりが無い。


 この時間に、こっちも準備しておいてやる。


 頭がグラグラして集中出来ないが。


 あとは、詠唱し切るだけだ。



「【銀ノ砲幕(シルヴァー・バラージ)】ィッ!」

「なっ!」



 いけた!


 地中から無数の砲丸が出現する。


 土を圧縮して中に入れることで質量不足を補う。


 シバジマは必死に砲丸を斬るが、幾つか体に食らっている。


 この間に、もう一つ。



 仕留める。



「【銀ノ刀幕シルヴァー・ナイフレイン】。」



 地中から無数の刀が飛び出す。


 コレで、アイツをーーー


 俺でも貢献出来たぞ!






「小癪なァッ!!!」



 バチバチッ





 肌で感じる、出力の高さ。




 コレはもはや僕が相手をして良いものでは無い。


 砲丸も刀剣も、全て一瞬の出力解放で弾き返され、空中で消滅してしまった。




「全力とは何か………定義するのは個人の勝手だが、その定義に双方相違が生まれたことは、貴様が後悔すべきことだ。」




 出力は、際限が無い。


 舐めてかかったが運の尽き、いや。


 行ける、と一瞬でも思ってしまったのが失敗だったか。


 いずれにせよ、僕はここで終わりだ。



 熱波が放射し神経を刺す。



 異常性。




 バシュッ


 抜刀の瞬間、視界を超速で抜ける。



 全身が強張るーーー







 次に訪れたのは、意識の混濁でも、死でも、想像を絶する痛みや衝撃でもない…………



 強い揺れと、土煙。


 目の前にいるのは、シバジマでは無い。


「あ、アイン…………なのか?」


 シバジマは屋敷の塀に叩きつけられ、全身がひしゃげていた。




 長い髪と、隆々とした肉体。




 光る刃。




 最大出力の時に感じたシバジマに対する危険信号とは比にならない。




 見ただけで脳が、皮膚が、悲鳴をあげている。






 逃げたいと、叫んでいる。






良いねよろしくお願いします。

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