D.O.P.E
「アイン、来るでない。」
何を言っているのか、この人は。
このままだと死ぬだろう。
今にも倒れそうだ。
「貴様ら………ッ!」
羅生流「鬼屠」。
まずは、一人。
ん?
違う。
“違う”。
これでは、余りに非効率だ。
反射的に。
あくまで反射的に、ベルトに掛けてあった“あるモノ”に手をかける。
久々だな。
なぜだろう、死の危機に瀕しているのに。
途轍もなく、笑えてくる。
「ーーーーーー起きろォッ!」
そうか。
コイツと戦うのが楽しみなんだ。
光の刃が、龍が、踊る。騰く。鳴く。
羅生流「晩霽」・龍鳴式。
五人ほど消し飛んだか。
「待ちなされ、若人。」
誰だ?
ああ、一つ目か。
よく見ると身体中に矢やら刀やらが突き刺さっている。
「私に刺さった矢が気になるか?コレは私の思い出だ。」
「そうか、おめでたい事だな。」
そういうと、奴も刀を抜いた。
異質な雰囲気が垂れ流しになっている。
「私の名は、雨浦葬之介。本目的はそちらの相楽星隕だが、そちと闘うのも一興だろう。」
ソウノスケは鋒を倒す。
相対するように、深く息を吐く。
足を引き、龍鳴を握り込む。
嵐の前の静けさ。
「確かアイン、と言ったな。」
返事はしない。
「君を楽にしてあげよう。この劇刀、“神葬”の元に。」
§§§
キョウ陣営。
「刀が折れた!キョウ君!」
シュルシュル
地面から銀線が生えたと思えば瞬く間に刀に姿を変えた。
「おおー、スゲェなこりゃ。」
「ありがとうございます!」
刀を作る、作る。
僕が今やるべきは、それだけでいい。
羅生流に関して言えば僕は初心者だ。
でも鍛治職に勝る生産スピードで刀を量産できる。
「【銀ノ剣群】。」
無数の銀の手に錬成した刀を持たせる。
手は伸びて行き、武士どもに斬りかかる。
いずれはコイツらで羅生流を使えたら良いのだが、今は足止めができればいい。
「皆さん、今のうちに!」
銀の手が武士どもの動きを少しだけ止めた。
こっちには主力の武士は居ないはずだ。
だからお弟子さん方でもそいつらの動きさえ止めればーーーー
ズバァァンッ!
血飛沫。
手やら首やらが飛んだ。
足元に一つ、首が転がる。
敵の首では無い。
「あ。」
この人はさっき僕が刀を供給した人だ。
爽やかな返事をくれた。
死。
知人の、死。
血飛沫の中から一人、悠々と歩く者。
「やあやあ。かの羅生流と聞いていたが、こんなものか?」
体が動かない。
コイツはヤバい。
禁罪獣よりも、遥かに。
震えまいと足に力を入れているのに、震えが止まない。
贖罪者どもは無知性(かどうかはハッキリとはしていないが)に殺戮する。
が、知性の殺意とは。
こんなにも対峙したものを狂わせるのか。
「だ、だ、だれ………だ。」
漸く声を絞り出す。
情けない声だった。
ヤツは気怠そうに首を回してから、言った。
「名は、柴嶋理捌。獅死ノ戦団、総長だ。」
良いね是非よろしくお願いします!




