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SILVER SKY - シルヴァー・スカイ -  作者: 梁間 蕭雨
第三部「東征」
22/35

思考、試行、至高。(前編)

19話の続きです。

「次は、剣筋を見せない方法を伝授しよう。」



 危ないから、と真剣ではなく木刀を用意した。



「アイン君は見たところ結構筋が良いからな。まあとりあえず見てな。」



 杖を門下生に預けるとゆるり、と鋒を向けた。



「強いヤツは斬る前の初動で殆どの動作を見抜く。」

「それだとすぐに防がれてしまいますね。」

「そうじゃ。だから、初動を消す。」



 所謂ノーモーションってやつか。



「じゃから構えに応じて攻撃方法が決まってしまう。コレが弱点。」



 なるほど。


 例えば上段構えなら斬り下ろし、中断が前なら斬り払いか突きのように前動作を消す代わりに攻撃のバリエーションが減ってしまうというわけか。


 だからせっかくモーションを省略しても慣れられると攻撃を予測されてしまうということだ。



 ノーモーションから繰り出された杖の突きは目にも止まらぬ速さで弟子の目の前まで飛び、寸前で止まった。



「君なら、それを克服できるはずじゃ。であろう?」

「勉強になります。」

「ま、とりあえずは初動省略の練習じゃな。時間は沢山ある。丁寧に仕上げなさい。」



 §§§



「君がキョウ君だね?鍛治職のタムラだ。」

「よろしくお願いします。お世話になります。」



 まずは、固有スキルを発動する。

 いつものように剣を作る。



「こんな感じです。」

「すげぇな。よく出来てるじゃねえか。」


 そういうとタムラさんは剣を引っこ抜く。


「まあ、鋭さと硬さは全然だな。言ってしまえば形だけだ。」



 本物を手に取る。

 銀線剣と違い、剛性感に溢れズッシリしている。


 でも、限りなく鋭く、薄い。



「本来刀ってのは何回もタタいて焼き入れまでして硬くしていくんだが、君にそんなことをしている時間も道具もない。」

「そうですね。」

「そこをどう埋め合わせるか、だな。その銀線をうんと細くしてくれ。」


 何回も何回も銀線を割くことを繰り返す。


 ほぼ見えなくなった。


 光の反射で確認できる程度だ。



「ソイツを縦に並べて板みてぇに出来るか?」



 言われた通りの製法で幾本も重ね並べて銀の板を作る。



「よし、一回なんかキレるか試してみるか。」


 タムラさんは藁を持って来た。


「うし、ちょっと貸せ。」


 スーッと極薄の銀の板で藁を撫でる。

 とても滑らかに斬れたが、すぐにグニャッと曲がってしまった。


 一度曲がってしまったものは真っ直ぐにはならない。


「ちょっと柔らかすぎたな。」

「それ、硬くできます。」

「ほう?」


 僕の銀線はまるで生き物だ。

 生成した瞬間はとても柔らかい。


 が、日を置くと硬くなる。



 スキルの練度も上がり、銀線同士を溶着することもできる。



「ということは銀線を作り置きしておく必要があるんだな。」

「そうなります。」

「じゃ、今日はここまでで良いからとびっきり硬えのが出来たら持ってきな。サガラ先生のとこに行ってこい。」

「分かりました。ありがとうございます。」




 これで、ようやくアインと同じ練習が出来るぞ。




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