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SILVER SKY - シルヴァー・スカイ -  作者: 梁間 蕭雨
第三部「東征」
19/35

羅生の門(後編)

「どっちから行く?」

「じゃ、俺行くわ。」


 先陣を切ったのはキョウだ。


 門下生と木刀で手合わせをする。

 固有スキルの使用は自由だそうだ。



 キョウはポケットから銀球を取り出し、細分化した線を伸ばした。



「【銀ノ殻鎧シルヴァー・ディフェンダー】」



 それが腕に刺さり、数秒後左腕は堅牢に包まれた。


 キョウは左腕で守り、右手に持った木刀で相手を攻撃するという戦法で見事一本を取った。



 俺の番だ。



「【空歪(ノイズ)】」



 大きめに砂嵐を展開し、撹乱。

 砂嵐に体を入れる。



 次の瞬間、背後を取っている。


 首筋に木刀を入れる。



 一本だ。



「二人とも、固有スキルって強いんだねえ。良い線いってるぞ。」



 が、と前置きを作る。



「君らが習いたいのは、人を殺す技では無く、()()技なんじゃろう?」


 歩み寄る。


 腰が曲がった小柄なお爺さんだが、重心が低く足取りもしっかりとしている。




「それに、まだ荒さが目立つ。」




 §§§



「キョウ君は刀鍛冶のところに行こう。本物の作り方を教えてもらいなさい。」


 キョウは使用人に連れられて道場を出た。


「それで、アイン君。君だがーーー」

「ちょっと、良いですか?話を遮ってすみません。」

「おお、なんじゃの。」


空歪刀(ノイズ・ブレイド)】を忘れていた。


 軽く説明をする。


「それは、難しいか?」

「まああまり簡単には使えませんね。」

「じゃったらまず斬る為の技術を教えよう。それから()()()()()()()()技術も教えよう。」



 そんなことが出来たら、もはや無敵も同然じゃないか。



「君のスキルは敵を撹乱したり、不意打ちを与えることに長けている印象じゃが、使いようによっては確実に敵を斬ることができる、と。中々教え甲斐があるのう。」


 弟子が束になった藁を持ってきた。


 サガラさんが真剣を抜いた。


「若造、よく見ておれ。」



 藁の上に刀を置く。



 力はほぼ無。



 しかし、あたかも刀を避けていくように藁が両断された。



「え?」

「驚くなかれ。コツさえ掴めば誰でも出来る。」



 イヤイヤ、弟子たちがものすごい勢いで首を横に振っているぞ。

 まあ、龍鳴無き今この言葉を信じるしか無いのだが。



「ほれ、刀を持て。」

「はい。」



 刀を持って藁の上に翳す。


「そいでな?よく見てみい。繊維の継ぎ目があるだろ?」

「は……い。」


 よくわからん。

 目を凝らしてみるとーーーーー




 クッソ。


 わからん!


「ごめんなさい、見つけるコツとかってありますか?」

「コツか、そうだな。」



 触ってみろ、と俺の手を取って藁の上をなぞらせた。



「あ。」

「分かったか。」


 一瞬だが小さな凹みがあった感じがした。


「一回やってみます。」


 刀を置く。

 3センチほどだがスルッと刀が下りた。


 少し力を加えるとスルスルッと斬れた。



 斬った訳じゃない。

 最早、勝手に。



「うん、まあまあ上出来だな。」


 小さな歓声と拍手が起こった。


「これは鉄とかでも出来るからな。相手の武器を斬ることも可能になる。」



 俺の方を見た。





「いいか?繊維の隙間だぞ。見極めろ。」






前後編形式が増えるかもなのでよろしくお願いします。

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