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SILVER SKY - シルヴァー・スカイ -  作者: 梁間 蕭雨
第三部「東征」
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階段


 アイン君もアトラクションに行くの!?


「ちょっと待って!」



 キョウの部屋は2階にある。


 急いで階段を登る。



「ハア、ハア、今は休んだいた方が……ってあれ。」


 いない。

 いつこの家を出て行った?


 私の目を掻い潜って、いや。



 まさか…………




 これが、アイン君の固有スキルか。




 §§§



 もう慣れた、この景色。


 アトラクションの中層域(ミディアム)



 意外にもキョウはすぐ見つかった。



 激しい金属音が鳴り響いている。


 驚くべきは、その光景。



 キョウは全身を銀色に包まれている。

 贖罪者(リディーマー)の攻撃はほとんど通じていないようだ。


 青く光る拳を何度も何度もキョウに打ちつけるも、効かず。


 でも、キョウはあいつをどうやって倒すんだ?



 が、そんな心配も杞憂に終わる。



 贖罪者(リディーマー)がキョウの鎧から受けた反動でついに攻撃の手が緩む。


 その瞬間、キョウは拳を贖罪者(リディーマー)に当てた。



 キョウに巻きついていた銀線が一気に解け、贖罪者(リディーマー)を貫いた。



 全身の銀線は解け、一つの小球の形に収まる。



「キョウ、おつかれ。」

「おお、来たのか。」



 俺は、龍鳴という最大の強くなるためのとっかかりを失った。


 また初めから、か。



 キョウには先を越されたな。



「この間はありがとな。お前が助けてくれたんだろ。」

「結構危ない橋を渡ったけどね。」



 そういえば。



「なんか、【銀ノセン】の使い方ちょっと変わった?」

「うん。アインのお陰で新しい使い方に気付けたんだ。」

「防御、か。」


 さすが、と返し手に持った銀球を見せた。


「いちいち地面から銀線出すのも時間かかるからさ、これに纏めたものを優先的に使うことにしたんだ。」

「なるほどな。」



 あの固有スキルの使い方に悩んでいた頃のキョウはもういないのか。



 砂嵐を展開する。



 これは手慣れたもので、無詠唱でも人が通れるぐらいの大きさのものを展開できるようになった。




「さ、帰ろう。十分強えよお前は。」




 §§§



「「ただいまー!」」



 ドタドタと足音が迫る。


「ちょっと、アイン君。」



 うわ、多分怒ってる。


 やばい。



「君の固有スキルって瞬間移動?」




 え。




「えっと、厳密には違くて。動作は省略されるけど時間は同等にかかるんです。それに行ったことない場所には行けません。」


 ほえー、と感心している。



 どういうことだ。



「母さんは元アトラクション所属の研究員で固有スキルに関する研究をしてたんだ。父さんと結婚してそこを降りたから今はただの固有スキルヲタクだね。」

「なるほど。」


 そこから、キョウの家で一日を過ごした。



 生前の学生時代の青春を思い出し、とても楽しかった。



 §§§



 明朝、家を出た。


 空港に着くと、父さんと母さんが見送りに来てくれていた。


「こっから一ヶ月、いなくなるけど仲良くしてろよ。」

「生きて帰るんだよ。いい?」

「もちろん。」


 キョウも別れを済ませたようなので、ゲートをくぐり飛行機に乗る。






 東征、開始。






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